船井電機「ヤマダ限定テレビ」に勝算はあるか 創業者が逝去、船越秀明社長の描く戦略は?

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船井電機の自社ブランドテレビはヤマダの店舗の中でも目立つ位置に陳列されている(撮影:梅谷秀司)
40代以上であれば、「FUNAI」のロゴがついたテレビを記憶されている方もいるだろう。テレビやDVDプレーヤーなどAV家電を主力とする船井電機は、業界のかつての勝ち組だ。
同社はこれまで、大手テレビメーカー向けのOEM(相手先ブランドによる生産)や北米のウォルマートにおける「SANYO」ブランドでのテレビ販売など、自社のブランドを冠さないテレビの製造・販売を主に手掛け、2000年代前半には驚異的な成長を遂げた。しかし、液晶テレビの時代になると米韓メーカーに押され競争力は低下、業績も下降線をたどった。
そんな船井電機は今年6月、家電量販店・ヤマダ電機限定で11年ぶりに自社ブランドのテレビを発売した。なぜ今国内市場に回帰したのか。ヤマダとの提携の指揮を執り、今年5月に就任した船越秀明社長に聞いた。

「国内シェア5%」は十分に達成できる

――なぜ今、日本で自社ブランドのテレビを再び発売したのか。

「FUNAI」ブランドのテレビを復活させるのは、(7月に逝去した創業者の)船井哲良相談役の夢だった。かつて2006年、ヤマダ電機で自社ブランドテレビを展開したこともあったし、米国のウォルマートではブルーレイプレーヤーやDVDプレーヤーを「FUNAI」ブランドで売っていた。しかし、トップメーカーのブランド力にかなわず、志半ばで頓挫していた。

今回、4Kテレビが普及期に入り、機が熟したことで、ヤマダ電機の山田昇会長と相談役が創業者同士で「再びやろう」と決めた。

当初は米国で販売しているテレビをシステムだけ変えて日本で販売する方法を考えていた。ただ、国内市場に関しては、船井電機はまったくの素人。山田会長から「船井電機にしか出せないような商品を」という要望があり、録画機能のついた4Kテレビを出すことになった。

昨年10月に発売が決まってから準備期間は7カ月ほどだったが、技術のメンバーが交代で連日徹夜して大手メーカーさんと肩を並べられる商品に仕上げた。

――店頭での売れ行きは?

発売から3カ月経ったが計画以上で推移している。発売初年度の今年は販売台数20万台、国内シェア5%を目標としているが、これは十分達成できるはずだ。

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