ビックカメラ・ナムコが組む、新カフェの正体 老舗キーコーヒーが挑む「一挙両得」の戦略
ナムコは7月中旬、ゲームセンター「namco札幌エスタ店」と「namco博多バスターミナル店」の施設内に、セルフ式の「KEY’S CAFÉ」(キーズカフェ)を相次いでオープンした。これまでは「アニON STATION」という名前で、アニメファン向けのカフェを営業していた場所だ。
「今までは一部のファンしか来なかったカフェだが、街で見掛けるようなカフェに変わったことによって客層が幅広くなった。客の入りも好調」と、ナムコは導入効果について話す。
ビックカメラにもキーズカフェが出店
ナムコだけではない。大手家電量販店ビックカメラは2015年に旗艦店の「ビックカメラ有楽町店」や「ビックロ ビックカメラ新宿東口店」にキーズカフェを導入、今年4月から「ビックカメラ名古屋JRゲートタワー店」にも開業している。
このキーズカフェは、コーヒー製造販売大手のキーコーヒーが「カフェ開業支援ビジネス」として手掛けているブランド。同社は2010年にこの事業を開始している。主に商業施設や高速道路のサービスエリア、病院内などに現在51店舗を展開する。
なぜ導入企業は、知名度のあるスターバックス コーヒーやドトールコーヒーといった大手チェーンではなく、キーズカフェを選んだのか。ビックカメラは「さまざまな立地に対応でき、自由度も比較的高いため」と説明する。
一般的なカフェチェーンが新規に出店する場合、店舗面積や立地条件が厳格に決まっているほか、本部がメニューや店舗レイアウトを決めており、不動産オーナーや施設運営会社の裁量は限られる。
一方キーズカフェの場合、店舗設計や什器の調達、従業員の研修などの開業支援にとどまる。
そのため、施設側の事情に合わせて店舗の設計や運営を行えることが特徴だ。冒頭のナムコのようにゲームセンター内に導入をしたり、ビックロ新宿東口店では、キャラクター名を冠した「ビックロたんラテ」を販売したりするなど、独自色を打ち出すことができる。
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