新型iPhoneに満載される革新は期待以上だ 最先端ではないがガッカリしてはいけない

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アップルは例年、2年サイクルでiPhoneのデザイン変更を加え、買い替え需要を喚起してきた。ところが2016年に発表したiPhone 7、iPhone 7 Plusは、前年モデルのiPhone 6sシリーズと同じデザインを採用した。

処理能力やカメラ性能なども向上を続けており、iPhoneは着実に進化している。しかし、アップル製品に対する期待が高いこともあり、「変わり映えしない」「サプライズが足りない」との厳しい評価がつきまとってきたことも事実だ。そのことが、特に中国市場でのiPhone販売低迷を招く結果にもなった。

最上位機種は有機ELディスプレイを採用

これまでの情報では、今回アップルは3種類のiPhoneを発表するとみられている。1つは1000ドルを超えると予想される最上位モデルで、これまで「iPhone 8」と指摘されてきたモデル。iPhoneがこれまで採用してきた液晶ディスプレイから有機ELディスプレイへと変わり、ホームボタンも画面表示へと置き換えた、新世代のiPhoneとして登場するとみられている。

またこれまでの指紋認証「Touch ID」の代わりに、3次元顔面認証を行う生体認証システムを採用し、セキュリティとスマートさを実現する使い勝手を提供することになるだろう。

残る2つはこれまでのiPhone 7のバージョンアップモデルという位置づけになりそうだ。少しずつ画面サイズが拡大し、前述の最上位モデルとともにワイヤレス充電に対応することから、背面の素材は金属からガラスに変更される模様だ。

バージョンアップモデルとはいえ、iPhone 7からは大幅にデザインが変更される。そのためアップルは、「iPhone 7s」というモデル名よりは、「iPhone 8」シリーズとして展開したほうがしっくりくると考えているかもしれない。

アップルは6月に開催した開発者会議「WWDC 2017」で、この秋に登場させるオペレーティングシステム(OS)として、iPhone・iPad向けの「iOS 11」、Apple Watch向け「watchOS 4」、Apple TV向け「tvOS 11」、そしてMac向け「macOS High Sierra」を発表した。

新型iPhoneにはiOS 11を搭載して出荷され、各OS間の連携が密になっている。そのため、iPhone発売以前に各種OSのアップデートが配信されることになるだろう。対応機種であればいずれも最新OSを利用できる。

iOS 11では、拡張現実に対応するアプリを開発できる「ARKit」をサポートする。最新のiPhoneはもちろんだが、iPhone 6s、iPhone 6s Plus、iPhone 7、iPhone 7 Plus、iPad Proシリーズといった販売中のiPhoneでも、これらのアプリを利用できるようになる。

さらにアップルは、機械学習フレームワーク「CoreML」を各種OSで利用できるようにしている。既存の機械学習モデルをアプリに組み込むことで、アプリをより賢く活用できるようになる仕組みを実現する。

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