新型iPhoneに満載される革新は期待以上だ 最先端ではないがガッカリしてはいけない

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またiPhoneの要の機能ともいえるカメラでは、写真やビデオの保存サイズを半分程度に圧縮する新しい形式を採用する。同じ空き容量でより多くの作品を残せる点は、新興市場のiPhoneユーザーにとってもインパクトが大きい。

iPad向けには、Dockや新しいマルチタスク機能を備え、生産性を高める大規模な刷新が加わる。iPadを仕事の道具として活用できる範囲が拡大し、2017年第3四半期に長い低迷を抜け出したiPad販売の下支えとなることが期待できる。

単体でLTE通信が可能なApple Watchも登場か

アップルはWWDC 2017で、iMacの上位機種となるiMac Proを披露している。今回のスペシャルイベントでiMac Proの発売が発表されるかどうかは不透明だが、macOS High Sierraの配信に合わせて、予約開始などのアナウンスが行われる可能性もある。

またApple Watch向けwatchOS 4では、Siriが情報を次々に提案してくれるSiri Faceが搭載されるなど、スマートウォッチ内での機械学習の活用に期待できる。またスポーツジムのマシンと連携して、より正確なワークアウト情報の収集を実現する機能は、現在のフィットネス用途でのApple Watch活用トレンドをより拡大させるだろう。

単体でLTE通信が可能なApple Watchの新モデルの登場も予想されている。iPhoneを持たず、Apple Watchのみでランニングをしたり、ちょっとした買い物を済ませるような新しい利用シーンが生まれることになる。

Apple TVについても、4KやHDRといった高画質版の発表に期待がかかる。WWDC 2017では、これまでApple TV向けに配信されてこなかったアマゾンのビデオアプリの登場がアナウンスされている。アマゾンは、すでに4K画質の作品を増やしており、アップルがiTunesでの映画配信を4Kに対応させ、4Kに対応するApple TVを発表したうえで、アマゾンを迎え入れることになるのではないか。

Apple Musicではすでに、Carpool KaraokeやPlanet of the Appsなどのオリジナル作品を配信している。それに加えて、iTunes自体でも、上映中の映画を自宅で見られるようにするサービスなどを準備し、映像ストリーミングサービスとは異なるアプローチで存在感を示すかもしれない。

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