日本人エンジニアが圧倒的に「独学派」なワケ 学びのプロセスを確立できている人が多い

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文部科学省では、2020年をメドに、小学校でもプログラミングの必修化に向けて、動き始めました(写真:ふじよ / PIXTA)
カリフォルニア州バークレー在住のITジャーナリスト、松村太郎氏のメルマガ「松村太郎のシリコンバレー深層リポート」。米西海岸のイノベーション最前線に関心のあるすべての人にとって必読のメルマガです。8月25日配信の「07号」ではプログラミング教育やアマゾンのスタートアップ支援制度など、シリコンバレーの最前線を解説します(過去分も含めて、サンプル版をここで読むことができます)。

 

夏休み中ということもあって、子どもと接する時間も長いのではないでしょうか。筆者が小さい頃もそうでしたが、現代の子どもは習い事に遊びに忙しく、いくら学校が休みでも昼間仕事があるとなかなか接する時間が取れなかったりしますね。

「スマホ禁止」にするべきではない

スマートフォンのコミュニケーションを家族で活用している人も少なくないと思いますし、個人的には「スマホ禁止」はすべきではない、と考えています。むしろ、いろいろな物事への興味を高めたり、実感を持たせたり、体験に結び付けるための媒介として、大いに活用すべきだと思っています。

その活用の中で、最も注目すべきが、プログラミングです。

文部科学省では、2020年をメドに、小学校でもプログラミングの必修化に向けて、動き始めました。実際に教室でどのような学びが展開されるのか、非常に注視しています。というのも、場合によっては、プログラミングが「嫌いな教科」にもなりうるからです。

筆者はジャーナリストの活動と並行して、プログラミング必修の通信制高校「コードアカデミー高等学校」の設立と副校長を務めていました。2014年4月に開校し、2017年3月には初の卒業生を輩出しました。彼らはプログラミングというスキルを武器に、またプログラミングができるという特異性を競争力にして、進学や就職をして活躍を始めています。

必修プログラミング授業のカリキュラムを作る際、日米でさまざまなエンジニアに対してインタビューを行いました。「どのようにして、プログラミングを学んだか?」「なぜプログラミングが上達したのか?」。そうした質問への答えの中から、最適なカリキュラムを作り上げるヒントを見つけようとしたのです。

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