北陸新幹線が結ぶ「近くて遠かった」信越の絆

東京との観光客輸送とは違うもう一つの役割

モニュメントが目を引くほくほく線十日町駅。第3回地域づくり交流会は十日町市で開かれた=2017年7月(筆者撮影)

北陸新幹線沿線の長野県北部と新潟県上越・魚沼地方では、2015年3月の新幹線開業に先立ち、「県境を越えた地域づくり」を目指す活動が始まっていた。自治体シンクタンクと大学の連携を端緒とした交流はその後、深化を続け、地域の多様なプレーヤーが交わるプラットフォームづくりが進展している。

2017年7月には新潟県十日町市で「第3回信越県境地域づくり交流会」が開かれ、地理的にも活動領域でも「近くて遠かった」多業種の人々が、意見を交わし、学び合った。

整備新幹線の開業は、とかく駅所在地のにぎわいや著名な観光地の集客に話題が集まりがちだ。しかし、信越地域では、新幹線開業を契機にネットワークを構築した人々が、観光振興にとどまらず、多雪、人口減少などの厳しい環境に向き合う試みが広がりつつある。新幹線開業がスイッチを押した、異色の取り組みを紹介しよう。

キーワードは「鉄道」「老舗企業」

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2017年7月19日、「道の駅クロステン十日町」で開かれた地域づくり交流会には、信越地域の住民ら約100人が集まった。今回のキーワードは「鉄道」「老舗企業」の2つだ。

「地域を元気にする鉄道の活かし方」のトークセッションには、千葉県・銚子電鉄の竹本勝紀社長が特別ゲストとして駆けつけた。地元からは、上越新幹線・越後湯沢駅と北陸地方を結ぶ特急「はくたか」が走っていた北越急行(ほくほく線)の渡邉正幸社長、ほくほく線車両でパンを販売する「パン列車」に携わる田村香さん(新潟県南魚沼市)、JR飯山線の観光列車「おいこっと」の前身「走る農家レストラン列車」を担当した飯山市職員の鈴木克己さん、JR大糸線で始まったサイクルトレイン運行にかかわった一般社団法人白馬村観光局の新路祐也さんが登壇した。モデレーターは、長岡技術科学大学大学院の樋口秀准教授が務めた。

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1976年に創業し、90年代の渋カジブームを牽引したビームスが今も元気だ。創業以来赤字知らず。40年、最先端を走り続けられる秘密は何か。設楽洋社長への独占インタビューを掲載。