渋谷駅で迷う理由は「グルグル回転」にあった

東横線から山手線に乗るまで合計1710度回転

誰もが迷う渋谷駅は現代の迷宮(ダンジョン)だ( ABC / PIXTA)
渋谷・新宿・東京といったターミナル駅から、一見、わかりやすいのだけれども「苦手」という人も多い池袋や北千住、豊洲といった駅まで、なぜ「わかりづらい」のか、どうすれば脱出できるのかを説明しているのが、『なぜ迷う?複雑怪奇な東京迷宮駅の秘密』です。同書を企画・編集した磯部祥行さんに、渋谷駅がいかにわかりづらいか、実例を挙げて説明してもらいます。

 

渋谷駅をして迷宮(ダンジョン)と表現しても、誰も違和感を抱かないだろう。SNSで「渋谷 ダンジョン」と検索すると、毎日、数十という書き込みがヒットする。

ダンジョンとは、ロールプレイングゲームの舞台としてよく登場するもので、本来の「迷宮」「ダンジョン」という語義とは別に、「何層にも入り組んだ、迷路のような建物」といったイメージで語られるものだ。駅をダンジョンと称するのは、「一目で把握できない」「迷う」といったことからの発想だろう。モンスターこそ出てこないものの、地下5階まで入り組んだ渋谷駅を「ダンジョン」と表現するのは言い得て妙である。

渋谷駅は迷宮(ダンジョン)と化した

渋谷駅は、2008年の副都心線が開業を経て、2013年の東急東横線の地下5階移設でダンジョン化が極まった。実に7階建ての駅になったのだ。

うち4階に鉄道路線のホームがあり、地下5階は東京メトロ副都心線と東急東横線、地下3階は東京メトロ半蔵門線と東急田園都市線、地上2階はJR山手線と京王井の頭線、地上3階は東京メトロ銀座線。山手線を軸にさまざまな方向から路線が重なり、増築に増築を重ね、完全にダンジョンと化した。

土木展で展示された渋谷駅のスケルトン模型(制作:田村圭介+昭和女子大学環境デザイン学科 田村研究室)

そんな複雑な渋谷駅の、ホームと通路、階段等だけを抜き出してモデル化した人物がいる。昭和女子大の田村圭介准教授だ。そのモデルは、土木学会主催の「土木展」ほか、さまざまな場所で展示されたので、見たことがある人も多いだろう(写真)。普段、渋谷駅を使っている人は、このモデルで自分の動きをトレースしてみると、それが合理的なのかそうでないのか、一目でわかる。

さて、そのダンジョンぷりを、数字で考えてみよう。ダンジョンぷり……つまりなにをもって迷うかを、地下5階の副都心線・東横線からから地上2階の山手線に乗り換えるのに、何回方向を変えなければならないかという点で考えてみたい。両線は少しズレてはいるが、並行して存在している。

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