教育費にムダの多い人が知らない選択と集中 「見栄」が価値ある選択を妨げる

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ヒト・モノ・カネには限りがある。だから、確実に成果を出せるよう有効に活用しなければならない、というわけです。子育てにおいても、この考えはピタリと当てはまります。選択と集中の精度を上げるためには、長期的に考えなければいけません。

ちょっと家計に余裕があるからと安易に習い事を増やしていると、気づいたら肝心の大学の入学金が支払えず、教育ローンを借りることになってしまったといった悲しい事態に陥ってしまうのです。

「選択」と「集中」の実践

かつて、わが家では次のように「選択」と「集中」を実践しました。4人も子どもがいたので、何におカネをかけるかについては、しっかりと考え、選び、支出を集中させました。

まずは家計全体を俯瞰(ふかん)で見るために、支出を洗い出し、

・食費や被服費などの生活費は最低限に抑える
・生命保険は解約
・車を手放す
・基本的に普段の食事で外食はしない
・被服費はゼロ。親戚のお下がりを着る
・おもちゃやゲームは買わない

と決めました。そして、次の費用に支出を集中させたのです。

「教養と体力を身に付けるため」の費用

水泳の月謝
バイオリンの月謝
年1回の海外旅行費 
年2回の国内旅行費 
「知識労働の世界で人より一歩先を行くための土台づくり」の費用

公文式の月謝 
塾の月謝や講習料
家庭教師代
中学時代の学費
中学・高校・大学の学費

息子たちの現在はというと、長男と三男が医師、次男はスポーツトレーナーの修業中、四男は公認会計士試験に合格し、監査法人に勤めています。

こうお話しすると、「医大に2人も行かせたんですか。お金持ちですね」と言う人がいますが、それは違います。

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