子供に教育費をかけすぎると老後貧乏になる

年収無視の「背伸び投資」に潜む危険なワナ

子供に無理な教育投資をしても報われるとは限らない(写真:zon/PIXTA)

「日常生活を節約してでも、子供には良い教育を」。親御さんなら誰しもそう思われるのではないでしょうか。子供のステージはさまざまですが、この秋から子供の進学に備え、いろいろと準備をされるご家庭も多いと思われます。

では、子供の進路によって、家計の状態はどのくらい貧しくなるのでしょうか。まずは年収と大学の授業料の関係から見ていきましょう。

増えない年収、上がり続ける大学の授業料

国税庁民間給与実体統計調査によると、サラリーマンの平均年収は、1997(平成9)年の467万円をピークに、2008年までほぼ右肩下がりです。同年秋のリーマンショックの影響で、翌2009年は406万円にまで落ち込み、その後は横ばい。2014年は415万円となっています。

一方、増えない年収に対し、大学の授業料は上昇し続けています。東京都の大学の授業料は、1977(昭和52)年から右肩上がりを続け、2004(平成16)年以降、国公立大学は横ばいになりましたが、私立大学ではなおも上がり続けています。

ちなみに、日本学生支援機構「平成26年度学生生活調査」によると、「国公立私立大学昼間部に通う学生の家庭の年間収入の平均」は824万円。この額だけみると、なんとか出せるかもしれませんが、これは子供が大学に入る年齢の年収です。親御さんが生涯で最も高い年収をもらっているときなので、この額が続くわけではないことに注意しなくてはいけません。

(出所)国公立大学は文部科学省「平成27年度学生納付金調査」、私立大学は同「平成26年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額調査」による

国公立・私立大学昼間部の初年度納付金(入学金+授業料)の平均額は、国立大が81万7800円、公立大が93万5578円、私立大文系が98万8702円、私立大理系が131万1199円、私立大医歯系が377万5165円です。

これらは、あくまで平均ですので、学校、学部によってさらに高いところもありますし、その他、施設設備費や実習費用、教材費などがかかる場合もありますので、実際は、この金額より高額になると考えておいた方がよいでしょう。

さて、今回は、ここからが本番です。教育熱心なのはわかりますが、それなりに高い年収があってもあまり教育費をかけると、貧しい老後が待っています。ここでは、大学生の子供を持つ、「50歳の2人の女性(田嶋優子さんと大内美香さん)」の家計を比較しながら、「教育費をかけすぎるとどれほど家計にヤバイのか」を見て行きましょう(注:2人は架空の人物。教育費などは、実際にある塾や大学の費用などを参考に計算しています)。

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