「関西大手私鉄」朝のノロノロ運転ランキング ワースト1位の速度は自転車並み

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南海電鉄本線の普通列車。南海には「普通」と「各駅停車」が別に存在する(写真:tesshy / PIXTA)

大手私鉄各線を走る朝の通勤列車はどのくらい速いのか。このテーマで、これまでに関東編(「朝」の首都圏大手私鉄、一番速い列車は何か)と関西編(「朝」の関西大手私鉄、一番速い列車はどれだ)、そして日本全国(全国大手私鉄「朝ラッシュ」最速運転ベスト20)3本の記事を掲載してきた。

逆に、いちばん遅いノロノロ運転の列車はどれかを調べてみたのが、6月に掲載した「『朝』の首都圏大手私鉄、遅い列車はどれか」である。今回はその関西編として、「私鉄王国」ともいわれる関西の大手私鉄で遅い列車はどれかを調査してみた。

調査のルールは関東編と同じ。時間帯については、7時30分~9時30分までに都心の終点駅に着く直通列車を対象とした。区間は一部を除き、各駅停車及び各種の優等列車すべてが停車する駅のうち、都心から最も離れた駅を起点とした。まず各鉄道会社・路線ごとにその特徴や表定速度の遅い列車を取り上げ、最後に各路線の各停や準急、快速など、種別ごとに最も表定速度の遅い列車を1本ずつ選んだうえでランキングした。

早朝は普通列車がない路線もある

それでは検証に入ろう。紹介する順番は、日本民営鉄道協会や国土交通省の資料などで見られる順に従った。近鉄・南海・京阪・阪神・阪急の順である。

まずは日本最大の私鉄、近畿日本鉄道(近鉄)だ。奈良線・難波線(近鉄奈良―大阪難波・32.8km)から見てみよう。奈良から大阪へ向け、東から西へとほぼ水平に突っ切る路線だ。時刻表をみると5時台~6時台は快速急行・急行・準急・区間準急と優等列車だけが並ぶ。これは準急が始発の近鉄奈良から8駅先の石切まで、区間準急は12駅先の東花園まで各駅に停車し、普通列車の役割を兼ねているからだ。

7時台になって、やっと普通列車が3本登場する。最も遅いのが7時28分発の尼崎行き。大阪難波までの所要時間は70分で、表定速度は28.1km/h。次いで遅いのは8時37分発の区間準急で、所要時間56分、表定速度は35.1km/hだが、難波到着が9時33分のためランキング対象外だ。

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