「関西大手私鉄」朝のノロノロ運転ランキング ワースト1位の速度は自転車並み

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次は南北方向に奈良と京都を結ぶ京都線・橿原線(橿原神宮前―京都・58.4km)。こちらは奈良線・難波線と違って、6時台は急行4本に普通が5本、7時台も急行4本に普通が5本とバランスよく配列されている。普通はすべてが京都直通ではなく、大和西大寺行き、新田辺行きもある。そして京都直通は速い列車が所要時間104分、最も遅い列車が111分で、表定速度は31.6km/hだ。

続いて大阪線(伊勢中川―大阪上本町)にいこう。伊勢湾から大阪湾までをつなぐ全長108.9kmの路線だ。ところが、さすがにこれだけ長い路線になると伊勢中川―大阪上本町直通の普通はなく、最も遅いのは7時17分発の急行で所要時間120分。表定速度は54.5km/hだ。

大阪線と接続する名古屋線(伊勢中川―近鉄名古屋・78.8km)は、伊勢中川から伊勢湾沿いに四日市を通って、近鉄名古屋まで北上する路線。こちらも大阪線ほどではないが長い路線なので、普通は1時間に3本から4本あるものの、名古屋直通は今回の調査対象時間帯だと5時52分発の1本だけだ。所要時間は147分で、表定速度は32.2km/h。かなりの長時間ではあるが、始発から座れれば、眠ったり読書をしたり、スマホで仕事関係のメールを読むなどして通勤時間を過ごせそうだ。

さて、近鉄ラストは南大阪線・吉野線(吉野―大阪阿部野橋・64.9km)。時刻表を見て特徴的なのは、早朝の5時台始発から夜の21時台まで、すべてが大阪阿部野橋行きの直通列車だということ。そして朝から21時台まで普通列車がないということ(22時台、23時台に4本、古市行きと六田行き普通がある)。ゆえに直通で最も遅いのは7時32分発の急行で、所要時間101分、表定速度38.6km/hである。

「各駅停車」と「普通」の2つがある南海

次に南海電気鉄道(南海)をみていこう。まずは南海線(泉佐野―難波・34km)。この路線の特徴は、6時台~8時台に急行、準急、区間急行と各種優等列車があり、普通も5本~6本とコンスタントに運行していることだろう。最も遅いのは8時00分発の普通で、所要時間83分。表定速度は24.6km/hだ。

もう1本の路線が高野線(河内長野―難波・27.1km)。こちらも6時台、7時台、8時台は各駅停車が5本から6本とコンスタントに運行している。最も遅いのは所要時間73分、表定速度は22.4km/h──と、ここでお気づきだろうか?同じ南海電鉄の路線なのに、南海線は「普通」、高野線は「各駅停車」と名称が違うのだ。

次ページ「各駅停車」と「普通」は何が違うのか
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