汚部屋がスッキリ!親の家を片づける技術 ミニマリストが実践した「BEFORE・AFTER」

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一方で私は、義父のホットスポットを見落としていました。義父の地雷原は「未開封の贈答品」でした。義母と一緒に「これはバザーに出すから、中身を見て整理しよう」。ある日、倉庫の中に押し込まれた何十年も前の贈答品を整理しようとしたところ、義父の逆鱗に触れました。外に出された贈答品を全部捨てるのだと思った義父は、「使えるモノや人からいただいたモノを捨てるのは無礼だ! もう、片付けなくていい!」と怒り、倉庫の片付けはそこでストップしてしまいました。

ホットスポットのモノをどうするかに答えはありませんが、基本的に親が亡くなるまで、そのまま置いておくことをおすすめします。親の家の片付けは「すっきりするため」にやるのではありません。ホットスポットのモノを片付けて一時的に問題が解決したとしても、引き換えに別の何か――親の暮らしの潤い、生きがい、人生の足跡――を奪うことになります。それは、単なる暴力です。

根本から見直した部屋づくり

【原則⑤】「美しい部屋」より「わかりやすい部屋」をつくる

『ミニマリスト、親の家を片づける』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

ミニマリストで、モノが少なくて、見た目が美しい。私がこれまで満足していた部屋は、本当に親にとって、家族にとって使いやすいのか。親の家の片付けをきっかけに、私は自分の部屋づくりを、根本的に見直すことになりました。

最も大きく変えたポイントは、「美しい部屋」へのこだわりを捨て、「わかりやすい部屋」にしたこと。見た目のこだわりを手放し、認知能力が低くなっても暮らしやすいこと、そして家族全員がモノの位置を把握できることを重視するようになりました。

わかりやすくするためのテクニックは、家の中のあらゆるモノを「見える化」すること。中身が見える収納用品を使ったり、ラベリングをしたりすることで、「誰が見てもわかる」部屋、収納をつくることができます。

「見える化」は隠す収納の真逆なので、見た目はごちゃごちゃします。正直、ミニマリストとしては「収納の中身は白1色にしたいなあ」と、納得いかない部分もあります。それでも親の「安全、健康」を第一に考え、たどり着いたのがこの原則です。

やまぐち せいこ ミニマリスト、主婦

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Seiko Yamaguchi

ブログ「少ない物ですっきり暮らす」主宰。通称やまさん。にほんブログ村ライフスタイル部門1位の人気ブロガー。 1977年生まれ。転勤族で引っ越しが多かったことをきっかけに、 モノを持たないミニマリストとしての生活を始める。2016年春 から義父母と同居することに。現在は夫、長男、長女、義理の両親と、大分県の田舎で二世帯住宅に暮らす。

 

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