日本でたった6台、特注ポルシェ911の実力 3334万円、607馬力のマシンにのってみた

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ポルシェは去る6月、イギリス・グッドウッドで、911ターボS エクスクルーシブシリーズなるスペシャルモデルを発表した。ベースとなるターボSよりさらにパワーアップしたばかりか、このクルマだけに用意したという凝ったホイールなど、特別な内外装をまとっているのが特徴だ。

ポルシェ エクスクルーシブ マヌファクトゥールとは!?

当記事は「GQ JAPAN」(コンデナスト・ジャパン)の提供記事です

ポルシェ 911はそもそも特別なクルマであるけれど、ポルシェによれば「生産する車両のうち約40パーセントは何らかのカスタマイズを施して出荷している」というから、ますます特別な911が多いということになる。新車の911の10台のうち4台はユニークな911なのである。

ポルシェはそんなポルシェをさらに特別な1台にするために、特別注文に応じるための「ポルシェ・エクスクルーシブ・マヌファクトゥール(Porsche Exclusive Manufaktur)」なる部署を擁している。かつては特別注文車部門と呼ばれ、1986年からはポルシェ・エクスクルーシブに改称された。そして、現在は上記の名称になって、内容も拡張した。

ポルシェによれば、近年“スモールシリーズ”(限定生産モデル)が増えており、それにともなって、より広範なカスタマイズプログラムが求められるようになったという。

わたしはかつて、この特別注文部門がまだそんなに大きくなかった(それでも忙しそうだった)1990年前半ごろに、ツッフェンハウゼンの本社工場を訪れたことがある。当時は特別仕立ての内装は珍しかった時代で、インテリアの担当者が「これはフェリー・ポルシェ(ポルシェ創設者の息子)の特別オーダーです」とシート用のペッカリー・レザーを見せてくれたのを覚えている。

クジラ偶蹄目のペッカリーは、そもそも古典的な高級スポーツカーでは最高といわれるソフトな感触のレザーである。それを用意しているポルシェはさすがだ、と当時のわたしは感心したのだった。

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