ASEANとの経済連携協定を軸に東アジア共同体を構築せよ!

ASEANとの経済連携協定を軸に東アジア共同体を構築せよ!

民主党参議院議員・藤末健三

ASEANとの経済連携協定に合意

 8月25日に、日本政府と東南アジア諸国連合(ASEAN)は、経済連携協定(EPA:Economic Partnership Agreement、国際的には自由貿易協定(FTA)と称するのが一般的)の締結で大筋合意しました。私は、ちょうど25日にカンボジアから帰国したばかりであり、ASEANの中の後進国であるカンボジアにおけるビジネスの可能性を見てきたばかりでしたので、このASEANとの合意は、非常に喜ばしいものでした。

 さて、日本アセアンセンターの統計では、2005年の日本の貿易額(輸出入の合計)122.6兆円のうち、ASEANは13.3%を占めています。これは米国の17.8%、中国の17.0%に次ぐ規模となります。

 中国との自由貿易協定の検討は全く進まず、また、アメリカとの経済連携協定は議論さえもされていない状況(韓国はアメリカとの協定締結に合意済み)で、このASEANとの合意は非常に大きな意味があります。ASEAN10カ国を合わせると、人口5億4436万人、GDP7844億ドルと非常に大きな市場だからです。
※ASEAN加盟国(タイ、フィリピン、マレーシア、インドネシア、シンガポール、ブルネイ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)

 日本からASEANへの輸出は、電気機器や機械が半分を占めており、わが国の産業に対するメリットは非常に大きなものがあります。経済産業省の資産では、ASEANと日本を合わせた6億5000万人に達する自由貿易圏の形成がもたらす日本国内への経済効果は、8000億~1.2兆円。また、ASEAN域内における日系企業への輸出増効果も1.5~2.1兆円と膨大です。日−アセアン(ASEAN)のFTA実現によって新たに創出される貿易効果は、全部で2.3 ~ 3.5兆円と推定されます。すごい効果ですね!


FTA合意の内容

 さて、今回の日本とASEANの具体的な合意内容は、物品貿易分野を中心に、投資・サービス、経済協力など幅広い分野を含む包括的な協定となっています。わが国は輸入額で9割以上の関税を即時撤廃します。薄型テレビ、自動車部品等を中心とした主要輸出関心品目に関しても、関税撤廃を要求し合意しています。また、ODA(途上国支援)の枠組みでASEAN地域の投資環境整備を支援することも決めており、私が主張していたODAと経済外交の連携にも対応する形になっています。また、ASEANにおける知的財産保護への協力も合意に含まれており、非常に包括的な協定が結ばれることになります。

 こうした背景には、ASEANとのFTAについて、中国や韓国に先を越されてしまった事実が挙げられます。政府担当者に、「中国と韓国に遅れを取っていいのか」と糺すと、「両国のFTAはレベルが低い。日本ももっと高いレベルを目指す」と答えていました。実際、今回のFTAはレベル的には高いものになったと見ています。

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