いすゞが「巨大ミュージアム」を開業したワケ 子どもたちが夢中!最新鋭ジオラマを披露
「あそこにトラックがいるよー!」「消防車が来た!窓から煙が出てる」
子どもたちが食い入るように見つめているのは、大きな街を縦横無尽に走るトラックや消防車だ。しかし、本物ではない。精巧に作り込まれたジオラマである。
ここはトラック大手、いすゞ自動車が創立80周年を記念して今年4月に開業したミュージアム「いすゞプラザ」の一角だ。
圧巻の巨大ジオラマでは車が自動で走る
全長12メートルの巨大ジオラマで描かれるのは、45台の車があちこちを走る「いすゞ県いすゞ市」の日常だ。人やモノを運んだり、火事の現場や工事現場で活躍したりする様子を15分のジオラマショーに仕立てた。
トラックや、バス、消防車、救急車などのミニカーや、マリンエンジンを乗せたミニ屋形船は、なんとプログラミングによる自動操縦で動いている。ジオラマとしては世界初の充電式ミニ電気自動車だという。
街の風景もすき間なく、リアルに再現されている。コンビニやス―パー、駅や観覧車、温泉の湧いている旅館、さらにはUFOまで登場する。そこに暮らす3300人の人々の動きや表情も、くっきりとわかる。
いすゞの主力製造拠点である藤沢工場の向かいにあり、小田急線湘南台駅からバスで10分と、決してアクセスがよいとはいえない。だがオープンから2カ月で来場者は1万6000人を超えた。年間で10万人の来場を目標としている。
地元のタクシー運転手は「平日、予約しているお客さんを乗せることもありますよ。自分も車が好きなので、中が気になっています」と語る。また、他の自動車メーカーの幹部も見学に来るという。大抵悔しそうに唸りながら帰っていった後、再度訪れる人もいるそうだ。
見どころはジオラマだけではない。実際のバスやトラックに乗車でき、日本では販売されていないピックアップトラックを間近で見られる展示も子どもたちの人気を集めている。
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