造船にLNG船特需、韓国勢への反撃なるか

シェールガス革命でLNG船の特需到来

特殊な超低温タンクを搭載したLNG運搬船は1隻200億円前後。写真は東京ガスの自社管理LNG船、エネルギーホライズン号

「これから国内でLNG(液化天然ガス)運搬船の発注が大量に出てくる。技術的に建造できる会社は限られ、豊富な実績のある当社には絶好のチャンスだ」。川崎重工業の船舶海洋事業を率いる村上彰男常務取締役は、LNG運搬船の大量受注獲得に大きな期待を寄せる。

川重だけではない。三菱重工業は今2013年度にLNG運搬船だけで6隻前後の受注を計画。さらに、いずれも04年を最後に受注が途絶えている三井造船とジャパン マリンユナイテッド(JMU)も実質的な再参入を宣言するなど、国内造船大手の間でLNG運搬船がにわかに脚光を浴びている。

背景にあるのは、シェールガス革命を背景とした米国産LNGの輸出開始だ。他国産よりも安価なため、日本でも複数の電力・ガス会社が米国からの調達開始を計画。その海上輸送に必要な専用運搬船の発注ラッシュが見込まれているのだ。

たとえば、中部電力と大阪ガスはテキサス州のフリーポート社とLNGの長期購入契約を締結。現地で液化設備が稼働する17年から、それぞれ年間220万トンを購入する。米国東海岸─日本は往復に約50日の航海日数がかかり、年間220万トンの輸送に必要な運搬船は5隻。つまり、この2社の案件だけで10隻もの運搬船が必要になる。

ほかにも米国のLNG関連では、東京ガスと関西電力が調達契約を結ぶコーブポイント、三菱商事と三井物産が参画するキャメロンなど、複数のプロジェクトがある。「日本企業が絡む米国LNG案件だけで、30隻以上の需要が出てくる」(日本郵船の河野晃・エネルギー輸送本部LNGグループ長)。米国政府の輸出許可のスピードにもよるが、17年以降の輸入開始に向けて、運搬船の商談も年内に本格化し、来年前半には正式な発注が出始める見通しだ。

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