日立造船、「ゴミを電気に変える」で攻勢

造船出身でない社長に聞く「世界一」構想

 2002年に造船事業を切り離した日立造船。社名に「造船」の文字を残しているが、雌伏の時を経て、今や環境とプラントエンジニアリングを主力とする会社へと変貌を遂げた。中でも「ゴミを電気に変える」ごみ焼却発電は、欧州でトップシェアを有するイノバ(Inova)社の買収によって、世界でもトップを狙う位置につけている。
 この4月に就任した谷所敬(たにしょ・たかし)社長兼COO(写真)は、これまで造船事業の経験がなく、新事業、先端分野に長く携わってきた。柱である環境・エネルギー・プラントや造船を源流とする機械・インフラに加えて、出身である精密機械を軸に新事業展開を急ぐ。谷所社長に、ごみ焼却発電の世界戦略と新事業の見通し、日立造船の将来像について聞いた。

欧州子会社とともに、東西から世界へ攻勢

――造船を切り離して10年が経過し、今や環境分野が大黒柱です。主力のごみ焼却発電の展開は?

世界で1番に近いところにいるので、「ダントツのナンバーワンを目指そう」と言っている。海外では、すでに中国、韓国、台湾に出ており、南にどんどん出ていっている。特に今、力を入れているのはベトナムとインドネシア。ここが東南アジアのごみ焼却発電では先行し、その先には当然マレーシア、タイも(ニーズが)出てくる。

ヨーロッパでは、2010年に買収したイノバがドイツ、フランス、スイスで実績を持っている。ヨーロッパではまだ、ごみ焼却発電が行き渡っておらず、イギリスとポーランドではこれから(案件が)出てくる計画だが、ポーランドは今年も受注したし、イギリスも去年の大きな案件に続いて、今年も受注できると思っている。

イノバがヨーロッパから東側へ、トルコから中東に向かっていく。私ども日立造船はインドから中東へ向かっており、世界中がイノバと日立造船でつながっていく。アメリカでは、イノバが買収時点で拠点を持っていたし、世界展開を進めて、最終的には残りの南米、アフリカもイノバと一緒にやっていくことになる。

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