わが子を原石から宝石に磨くには 子の才能を見いだす親と、潰す親の違い

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 グローバル化が進む中、親たちは、子供を世界で通用するエリートに育てるため、日々、努力を重ねている。しかし、若手マザーの中には、子育ての仕方がわからず、周りの助言にも恵まれないケースも多い。そこで、一般的な家庭ながら、子供を国際弁護士、国際金融マン、海外著名大学教員、公認会計士に育て上げた著者が、読者の皆様からの子育て相談に回答する。 

 

このコラムの基になっているアンケート調査では、ほとんどの学生さんは自由放任の家庭環境の下、進路の選択や決定も自主的にしておられました。

一方、今年のベネッセ教育研究開発センターの調査によると、学生生活や就職などで「保護者の意見に従うことが多い」と答えた学生は45.9%に上り、4年前の調査から5.8ポイント増えたそうです。相反する結果を出した2つの調査から見えるものは何でしょうか?

幼児期の関心事には、親の協力がほしかった

【東京医科歯科大学 Sさんの寄稿文】
 私の両親の教育方針は、「自分の生きたいように生きろ」でした。学校での成績、進路について指図されたことは一度もありません。だからといって無関心というわけではなく、つねに私のことを心配し、応援し続けてくれていますし、私はこの教育方針に感謝しています。自分が経験してきた道がどうであれ、己が決めた道ですから、真剣に反省し、努力し続けることができていると考えています。
 改善してほしかった点は、子供が興味を持ち努力しているとき、それに関連する情報をある程度与えてほしかったことです。私は子供の頃から科学に興味を持ち、科学にかかわることをしたいとつねに希望していました。
 しかし、科学に特化した子供向けのセミナーや学校があることをいっさい知らず、大学で初めて先端科学に触れたとき、そのような存在を知りました。もっと幼い頃より両親から情報を与えられていたら、今よりもっと多くの知識や経験ができていたのではないかと考えています。
 全国の父母の皆さんにアドバイスするとすれば(それができるほど私は優秀ではありませんが)、私の両親と同じように強制や干渉はしないが応援はするという、子供の希望する道が最優先の教育方針をお勧めします。希望する道へ進むことがいちばん幸せであると思うからです。
【早稲田大学 Yさんの寄稿文】
 さまざまな体験をさせて好奇心を高め、興味を示した分野で深く学ばせてほしい
 私が受けた教育方針としては、とにかくさまざまな体験の場を与えられたことが挙げられます。小さい頃から旅行先などで多くの珍しい体験をさせてもらい、美術館などをはじめとした施設にも頻繁に連れて行ってもらいました。これにより、ものを知ることへの好奇心がとても強くなったのだと考えています。
 改善してほしかった点としては、基本的に本人の自由に任せるという方針だったので、 体験の中で興味を持ったものは、多少強引にでも深く学ばせてほしかったと考えています。有効なアクションとしては、さまざまな体験を通して好感触だったものは、特技として生かせるくらいに学ばせたほうがいいと思います。
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