鉄道キセル対策、日本と欧州はこんなに違う

私服検査官が一斉検挙、罰金は運賃の数十倍

ロンドン・ヒースロー空港駅の出口。ゲートが閉まるまでの時間が長すぎるため無札で入場できてしまうのが難点(筆者撮影)

「切符を持っていないあなた、職員にバレたらどう言い訳しますか?」
ロンドンの地下鉄やバスの車内には、こう書かれたポスターがあちこちに貼られている。招かざる無賃乗車客が多い欧州では、確実に運賃徴収を行うため、あの手この手で対策を講じている。悪質な事例には刑事罰や巨額な罰金を請求することもある。

欧州では「キセル」より「無札乗車」が多い

日本における無賃乗車(いわゆる「キセル」)の代表例としては、かつては乗車駅と下車駅にそれぞれ近い区間の定期券を2枚持って、堂々と通勤する行為がよくみられた。最近はICカードなどの技術の進歩でこうしたキセル行為はほぼ不可能になっている。

そんな中、横浜市内を走るみなとみらい線における無賃乗車が大きな問題となっている。横浜から渋谷方面に向かう東急東横線の乗客が「着席したいから」という理由で逆方向のみなとみらいに向かい、折り返し乗車をする。みなとみらい線を運営する横浜高速鉄道にとって、こうした乗客は文字どおり「ただ乗り」である。

欧州でも無賃乗車は後を絶たない。地下鉄や近郊電車で特に多い。手口は割と単純で、自動改札での出入りの際、前の人との間を空けないで通り抜けるというやり方だ。日本のように改札機のドアが開け閉めするタイプの場合、この手口が使われるようだ。ロンドンでは残念ながらこの手の方法で日々市内を動き回っている常習犯も多いという。

切符を入れると横向きに伸びるバーがくるくる回るタイプの改札機なら、複数人が一度に通ることはできない。だが、過激な欧州の若者たちはバーそのものを乗り越えたり、床をはって通り抜けたりするのは平気なので、不正を働く者の排除には効果がない。そこでパリのメトロでは床とのすき間がほとんどない高さ2メートルほどの扉を設けて、飛んだり潜ったりする者をあきらめさせる方法を取っている。

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