「サトリ世代」は、”欲望レス”世代じゃない 『non・no』編集長に聞く、ハタチの現実

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――この世代の「買いたい」をつかむために、企業はどんなことをすべきでしょう。

「共感してほしい」「気持ちをわかってほしい」という感覚が非常に強い世代だからこそ、「あなたのことをわかっているよ!」と、はっきり示す必要があると思います。ファッションにしても、スタイルをよく見せたい、背を高く見せたい、友人にいつもと違うねと言われたいなど、願望はたくさんあるわけです。

洋服のショップの店頭でも、そうした願いをかなえられる服なんだと、もっと打ち出すことで消費につなげられるのではと思います。

――具体的には、メーカーや店頭ではどのように工夫できそうですか?

やはり重要なのは、1着をその10倍くらいに着回し、使い回しができる商品を作ることではないでしょうか。その1着から、いろいろな着こなしのパターン、アイデアが広がっていくかどうかが大事です。店頭では、そうした具体的な“お得感”をもっと示していくべきだと思います。たとえば、書店では店員さんの手書きPOPがありますが、あんな感じがいいのでは。

店頭にそのショップの服を完璧に着こなすマネキンが置いてあるだけでは、やはり自分のものだとは思えない。いろいろなパターンで着回ししている様子を、何体ものマネキンを置いて見せるなど、雑誌の誌面を、店頭でも応用してみてほしいと思います。店員さんとのコミュニケーションが苦手という人もいるので、ビジュアルで見てわかるものを用意することは重要だと思います。

(撮影:今井康一)
 

長瀧 菜摘 東洋経済 記者

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ながたき なつみ / Natsumi Nagataki

​1989年生まれ。兵庫県神戸市出身。中央大学総合政策学部卒。2011年の入社以来、記者として化粧品・トイレタリー、自動車・建設機械などの業界を担当。2014年から東洋経済オンライン編集部、2016年に記者部門に戻り、以降IT・ネット業界を4年半担当。アマゾン、楽天、LINE、メルカリなど国内外大手のほか、スタートアップを幅広く取材。2021年から編集部門にて週刊東洋経済の特集企画などを担当。「すごいベンチャー100」の特集には記者・編集者として6年ほど参画。2023年10月から再び東洋経済オンライン編集部。

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