創業140年の料亭が挑む「料亭文化」復活の道

接待減に老朽化…苦しむ18料亭が手を組んだ

金融機関から「壊してビルにしろ」と言われたこともあった老舗料亭「宇喜世」。全国18の老舗料亭と手を組んで、料亭を核とした地方創生を目指す(写真:筆者提供)

2017年春から、「百年料亭ネットワーク」というプロジェクトが始まった。文字どおり、100年続いている全国の料亭がお互いに連携して、歴史のある日本の料亭文化を盛り上げようというものだ。

高田の「ヤンキーの虎」はなぜ料亭を買ったのか

中心人物は新潟県上越市、旧・高田市の料亭「宇喜世」の社長・大島誠氏(57)。大島氏は、上越市で新聞社、ケーブルテレビ会社、老人ホームの経営などを幅広く手掛ける大島グループの代表だ。投資コンサルタントの藤野英人の著書で、地方を本拠地とした起業家たちを取り上げた『ヤンキーの虎』(東洋経済新報社)にも登場する地元経済の中心人物が、なぜ老舗料亭再生のプロジェクトを立ち上げたのか。

「当初は料亭の経営をする気なんてなかったんですけどね」と大島氏は笑う。「そもそも僕の義父(大島グループの先代代表)も祖父も宇喜世をよく利用していました。昔の人ですから、夜、宇喜世で遊んで、朝、宇喜世から出勤したこともある。ところが宇喜世の経営が危ない、高田に料亭がなくなってはいけないっていうんで、自分のおカネを突っ込んだんですね」。

ただ義父のおカネだけではとても足りないということで、大島グループとして宇喜世を買い取り、再生に取り組んでいるのである。

高田市は、戦国武将・上杉謙信の居城・春日山に近く、江戸時代は松平家67万石の城下町として栄えた。明治以降は陸軍が置かれ、そのため現在の仲町という地区に料亭がいくつもでき、繁盛していた。

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宇喜世は遅くても200年前には現在の場所に店を構えており、当初は魚の卸業だった。江戸末期には仕出し屋となり、明治の初め頃から割烹(かっぽう)料亭となった。料亭としては少なくとも140年以上の歴史がある。

建物は増築を繰り返しているが、明治時代のものが今も残る。入り口の2つの門と玄関は、登録有形文化財である。

 
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