大盛況の「京急ビール電車」で起きた緊急事態 キリンとのコラボ、人気高まり運行本数増加

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弁当やおつまみと一緒にテーブル上に並べられていたウエルカムドリンクの缶ビールは早々に飲み干され、サーバーから注がれたビールでの「乾杯」時には早くも「酔っ払いモード」の人も。4号車に設置されたビールサーバーから間断なくビールが注がれ、参加者の待つ車両に次々と運ばれていった。

「1人当たり4~5杯くらいは飲んでいただいたのでは」と、キリンビールの担当者。これにテーブル上に置かれていた缶ビールも加えれば1人5~6杯ということになる。前回よりも飲むピッチが速いように感じられた。

途中、キリンビール社員によるマジックショーやクイズといったイベントもあったが、競争倍率の高いビール電車に乗ったという一体感からか、あちこちで隣り合わせの参加者同士が会話を楽しんでいた。「知らない人同士の交流が楽しい」とある参加者は言い、テーブルを挟んで向かい合わせになった2つのグループは、「この後、一緒にカラオケに行きます」。

ビールに合わせて列車も黄色にしてほしい

スタッフはビールを注ぐのに大忙し(撮影:尾形文繁)

2時間の行程が終わると前回同様、参加者の多くが、「次回もぜひ参加したい」と語り、名残惜しそうに下車していった。「次回に向け希望することは?」と聞くと、「次回はロングシートではなくボックスシート車両を使ってほしい」「ビールの色に合わせて京急イエローハッピートレインを使ってほしい」という意見が出た。

京急の担当者は、「どちらの車両も大師線への乗り入れは難しい」と苦笑しながらも、「もし実施する場合にはさらにお客様に喜んでもらえる仕掛けを考えたい」と語った。

一方で次回も開催するなら改善してほしいという点も挙がった。まず、平日朝10時という受付開始日時を変えてほしいという意見だ。仕事中にこっそりサイトにアクセスしたというつわものもいたが、多くの参加者は代わりに申し込んでくれる人を探したようだ。

もう1つはトイレの問題だ。2時間の道中で、降車が可能なトイレタイムは1往復目が終了した京急川崎駅停車時のみ。停車時間はおよそ30分間あるのでトイレに行くには十分だが、2往復目に入ってからは、トイレに行きたいという参加者が目立った。

生理現象であるうえ、ビール飲み放題の場。突然トイレに行きたくなる人がいるのは当然だ。2往復めの途中停車駅である小島新田は乗客の降車を想定していなかったが、急きょ一部のドアが開放され、駅のトイレに駆け込む参加者が目立った。

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