加計「一転再調査」から始まる安倍政権の危機 政権運営には身内からも批判の声が出ている

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そうしたことが影響しているのか、6月1日に開かれた都民ファーストの会の総決起大会で、来賓に招かれた高木陽介公明党東京都本部代表は微妙な発言をしている。

「これまで何度も新党ブームが起こったが、いずれも長続きしなかった。そうした風に期待するのではなく、一人ひとりとしっかりとつながれるかどうかだ」

実際に都民ファーストの会は23人の公明党の候補者全員に推薦を出しているが、公明党は都民ファーストの会の候補者48人中20人しか推薦していない。厳しい状況ゆえにハネムーンとはいえない2者の関係を示しているといえる。

一方で民進党も、加計学園問題で追撃の手を緩めない。

6月9日、記者会見する松野博一文部科学相(写真:時事)

他にも出てきた文科省の内部文書

6月2日には問題の中心人物とされる藤原豊内閣府審議官が文科省担当者と昨年に行った打ち合わせ概要と、そのため文科省内でやりとりした連絡メールを公表。藤原審議官が浅野敦行専門教育課長との面会を至急希望し、さっそくその日(9月26日)の午後6時に永田町合同庁舎7階の特別会議室で打ち合わせが行われたことが明らかにされた。

「取扱注意」とされたその打ち合わせ概要には「平成30年4月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたい。成田市ほど時間はかけられない。これは官邸の最高レベルが言っていること(むしろもっと厳しいことを言っている)」と記載され、「強いご意向」があったことがうかがえる。

これらのメールは十余人の「文科省」のドメイン入りのアドレスで共有されているが、そこに記載されている氏名の職員は省内にいるのかと民進党の今井雅人衆議院議員が尋ねると、常盤豊高等教育局長は「同姓同名の職員はいる」と歯切れ悪く述べるにとどまった。

しかしこれで逃げ切れるのかといえば、そうではない。実は閣内からも“造反”が出ていたのだ。

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