加計学園"総理のご意向"文書「流出」の舞台裏 背後に見え隠れする「麻生vs菅」の構図
安倍晋三首相の長年の友人で、「腹心の友」と呼ぶ加計(かけ)孝太郎氏が理事長を務める学校法人加計学園(岡山市)。その加計学園が国家戦略特区制度を利用して愛媛県今治市に設置を予定している岡山理科大学獣医学部を巡っては、これまでも様々な“疑惑”が囁かれてきた。
ひとつは今治市いこいの丘にある16.8ヘクタールもの土地(約36億円相当)を加計学園に無償譲渡する件。これに加えて今治市議会は今年3月3日、校舎建設費用192億円のうち64億円を上限として負担することも決議。愛媛県が負担する分を合わせて、その上限は96億円にも上る。
もっとも地方自治体がまちおこしのために、学校や企業を誘致することはままあることだ。その結果、目論んだ税収増や経済効果がさほどではなかった例も多いのだが、とらぬ狸の皮算用をする地方自治体は多い。
「官邸の最高レベルが言っていること」
ところが加計学園の場合、さらに重大な"疑惑"が浮上した。
内閣府が大学設置権限を持つ文部科学省に対して「平成30年(2018年)4月開学を大前提」に早期の開学を求め、これを「官邸の最高レベルが言っていること」と圧力をかけていた可能性があるのだ。朝日新聞は5月17日の朝刊で、「新学部『総理の意向』」「文科省に記録文書」「内閣府、早期対応を求める」との見出しでこれを報じている。
問題の文書は計8枚で、まずは「大臣ご確認事項に対する内閣府の回答」と題されたものだ。
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