日本はいまロシアと組む絶好のチャンスだ

鈴木宗男×中村繁夫が日ロ関係の未来を語る

「ロシア食い逃げ論」は間違い。新党大地の鈴木宗男代表とレアメタル商社最大手の中村繁夫社長が、ロシアと「WIN-WIN」の関係を築くための具体的方法について語る(写真:ロイター/アフロ)

安倍晋三首相は4月27日、ロシアのプーチン大統領とモスクワのクレムリン(大統領府)で3時間にわたる首脳会談を行った。北方領土での共同経済活動に関しては、四島(歯舞群島・色丹・国後・択捉)に官民調査団を派遣することで合意。また29項目にわたる覚書を締結した。これは昨年日本側が提案を行った「8項目の経済協力プラン」についての具体案ともいうべきもので、たとえば医療分野で三井物産がロシアの製薬大手アールファーム社に約10%出資を決定するなどの前進があった。

だが依然として日本国内には「経済協力をしたからといって北方領土が返還されるとは限らない」「ロシアに食い逃げされる」といった慎重論も目立つ。今後の日ロ関係の進むべき方向性について、日ロ関係に命を懸けてきた新党大地の鈴木宗男代表(4月30日に公民権回復)と、日本有数のレアメタル商社で、ロシアとの貿易も長いアドバンストマテリアルジャパン社の中村繁夫社長の2人が語った。

昨年の「長門・東京日ロ首脳会談」は大成功だった

中村繁夫(以下、中村):旧ソ連時代から数えると、わが社のロシア貿易はかれこれ30年超になります。過去20年間、弊社AMJは沿海地方のタングステン資源に注目し、毎年、年間3000トンのタングステン精鉱の長期取引を成功させてきました。この間かなり苦労しましたが、私の目から見ても、昨年の日ロ首脳会談や、私も参加した「日ロビジネス対話」は成功だったと思います。しかし、日本国内ではいまだに「ロシアと貿易してもリスクが大きい」などの慎重論が目立ちます。北方領土問題も経済協力をしたところで、結局「返還されるのは難しい」との悲観論が少なくありません。

鈴木宗男(以下、鈴木):ロシアや北方領土問題についての私の考えは、以前「東洋経済オンライン」のインタビュー「北方領土への誤解が多すぎる」でも述べたとおりですが、ひとことだけ言いますと、日本の政治は、といえば一にアメリカ、二に欧州、三に中国。しかし、ロシアはれっきとした隣国であり、たとえば「嫌い」だからといっても、お互いに引っ越せないのです。

またロシアは世界一のエネルギー大国であり、科学技術から芸術の分野に至るまで極めて高いレベルを有しています。米国一辺倒の政治を変え、エネルギー供給の多角化などを進めるうえでも、ロシアと手を結んだほうがよい。ソ連時代なら毛嫌いするのもまだわかります。しかし、いまのロシアは自由と民主主義の国です。なのに、多くの日本人はマスコミも含め、いまだにソ連=ロシアといった考えや受け止め方をしている人が少なくありません。私は「いいかげんギアチェンジしなさい」と言っているんです。

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