中国企業がコンドーム大手を買収したワケ 性意識高い若者需要が後押し

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「避妊方法も含め、性についての社会的意識はゆっくりと高まっている」と、性教育を専門とする会社「Greenxoxo」を立ち上げたWang Xiaoshuangさんは言う。Wangさんによると、結婚前の性交渉は、今では広く受け入れられるようになった。「20年前は、そういう行為はタブーだった」

Wangさんによると、HIVやエイズ防止の運動の影響で、「セーフ・セックス」への関心は急速に高まっている。だが、コンドームの広告には規制が多く、多くのブランドはオンラインでのマーケティングを主体にしている。

中国でコンドーム利用がさらにオープンになれば、2015年に18億ドルだった市場規模は、2024年までに2倍以上に拡大すると、調査会社トランスパレンシー・マーケット・リサーチ社は予測する。

中国の「性革命」は始まったばかり

しかし、中国の「性革命」は、まだ始まったばかりだ。最近では、「女性の美徳」を説く教師が、「女性は短いワンピースを着るべきではない」や、「未来の夫のために自分を守るべきだ」と発言して、ソーシャル・メディアで反発が起きた。

「大人向け商品を買うのが流行っているという人もいるけれど、まだまだ無理解な人も多い」と、上海の成人向け商品の店で働くアンという姓の店員は言った。彼によると、「大人向け商品」の市場は、急拡大ではなく、ゆるやかに成長している。だが若い世代が、状況を変えつつある。「若い人は、新しいものを欲しがる。保守的な感覚にしがみついていない」と語った。

性についての意識は数十年で劇的に変わり、今ではほとんどの人が結婚前の性交渉を支持している。だが、避妊用品の需要を押し上げるの決め手となる性教育にはまだ改善の余地があると、学生のチャンさんは言う。

「両親が以前、避妊や、性感染症について基本的な話はしてくれた。でもその他のことは、全部自分で学ばなければいけなかった」

(Adam Jourdan)

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