お色気「生中継アイドル」にハマる富豪の行状 拝金主義が蔓延する中国社会の縮図がある

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会社で残業の息抜きにネット生中継を楽しむ鄔智駿
中国ではパソコンやスマートフォンからネット回線を使って手軽にできるインターネット生中継が大流行している。多くの素人が歌や踊りを披露するパフォーマーとなり、ブレークすれば中国語でネットアイドルを意味する「網紅(ワンホン)」と呼ばれる。2016年は、この「網紅」を大量に生み、「ネット生中継元年」と称された。
そのきらめく世界の「実態」と「儲けの仕組み」はどうなっているのか。5日連続でリポートする。第4回はネット中継アイドルに夢中になり、ここに多額の「投資」をするファンの実像に迫る。
=敬称略=

 

本連載は5月15~19日まで5日連続で5本の記事を掲載します

夜景にこそ、その都市の活力が表れる。日暮れから何時間経ってもビルの窓が煌々(こうこう)としているのが中国随一の経済都市、上海の日常だ。日系の広告会社に勤める鄔智駿(38歳)が時間を割いてくれたときも、午後10時をすでに回っていた。鄔の働くオフィスは、広いフロアがガラスやシェルフで仕切られ、いかにも広告会社らしかった。

シャワールームもある。夜を明かすことさえあるという。その彼が残業で遅くなったときや仕事の合間に見て楽しむのがネット生中継だという。気分転換になるそうだ。

鄔のパソコンには、いくつもの生中継のチャンネルが「お気に入り」に登録してあった。その中でも、「桜子」が彼の最愛のパフォーマーだ。

お気に入りの女性に「エビ」を贈る

お気に入りのパフォーマーに贈ったプレゼントのエビ(1つ約1600円)

私と話をしている途中で、「桜子」の生中継が始まった。自動的にパソコンに生中継画面が開くように設定してあったらしい。桜子は目が大きく透き通るような肌をした魅惑的な女性。鄔が早速、カタカタとキーボードを打ち始める。生中継画面上に「こんにちは、美人さん。きょうはとってもかわいいね」と彼が「語り」かけたメッセージが表示される。さらに、「今、エビをあげましたよ」と教えてくれた。

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