お色気「生中継アイドル」にハマる富豪の行状 拝金主義が蔓延する中国社会の縮図がある

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ネット生中継の登場によって注目された「人種」がいる。ポンと多額のプレゼントを贈る成金たちだ。そうした成金の1人に話を聞くチャンスを得た。

北京で複数の娯楽施設やレストランなどを経営する劉海斌(30歳)。

複数の娯楽施設やレストランを経営する「成金」。自ら経営するしゃぶしゃぶ店にて

自ら経営する中国式しゃぶしゃぶ店に現れた劉は、胸に大きな星の絵が入った黒いトレーナー姿だった。サイドを刈り上げた髪、八の字に下がった眉の下のつぶらな瞳は、いたずら好きの中学生のように時折、ニカッと笑う。この青年というか少年のような男が、レストランの売り上げのほかに、映画制作への投資による利益などを含め、「計算したことはないですが、数千万元かな」という年収を得ているという。日本円で数億円である。

劉は、ネット生中継にすでに飽きてしまい最近はあまり見ないと話すが、それでもある大手ネット生中継プラットフォームの中で、いまだにプレゼント総額で第2位の座を保っている。その総額は800万元以上、日本円で1億2000万円を超える。

高額プレゼントは競争

これまで1回に送った最も高いプレゼントについて尋ねてみると、「1時間か2時間の間に100万元(約1600万円)いかないくらいかな」と、さらりと言う。そのときは、ある女性パフォーマーに対し他の成金とプレゼントを贈る競争になったのだという。その競争相手の成金はおろか、プレゼントをあげたパフォーマーともまったく面識はなかったというから驚きだ。

自ら経営する会員制クラブ(複合娯楽施設)でインタビューに応じる

「パフォーマーが誰かはどうでもよく、その競争相手だけを気にした」と話す。見ず知らずの者同士の間で1000万円単位のカネを使ってしまう金銭感覚は、庶民の私には理解しがたいが、その友達感覚も至って独特である。

「でもこの競争を通じてその成金と友達になったのです。パフォーマーとだけではなく、誰も知らない第三者がネット生中継で友達になれます」

気前のよさと肝っ玉の大きさを互いが認め合ったということなのだろうか。

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