平均視聴率15%を目指していた
――「半沢直樹」の大ヒットをどう見ていますか?
まったくの「想定外」でした。びっくりしています。僕らは最終回で20%を取ろうとしていたのです。「半沢直樹」は、これまでのドラマ界の常識で考えると、登場人物に女性が少なく、わかりやすく視聴率を取れるキャラクターもおらず、恋愛もないという「ないないづくし」。それに銀行という“男”の世界が舞台です。セオリーどおりなら、ドラマのメインターゲットと言われる女性は「見ない」ということになりますよね。
だから、当初は、12~13%から初めて、徐々に視聴率を上げて、最終回で20%。プロデューサーと「平均15%取りましょう!」と誓い合っていたくらいです。でも、いざ、フタを開けてみたら、女性が見ていた。テレビの常識がいかに適当だったか、マーケティングというものがいかにアテにならないか、ということでしょう。これまでの「●●がないから視聴者は見ない」という常識は、逆に言えば、「これだったら食いつくだろう」と視聴者に対してある種の「上から目線」じゃないですか。刑事物がヒットしたら、皆、刑事モノに殺到しているでしょう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら