セルジオ越後「J1に18チームは多すぎる!」 W杯で勝ちたければ、レベルアップが急務だ

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もともとJリーグ創設の理念のひとつには、日本代表を強くするため、というのがあります。

ところが、(2010年から2014年まで日本代表監督だった)アルベルト・ザッケローニもハリルホジッチも、Jリーグでプレーする選手を頼りないと思っているのか、海外組を重宝しています。海外組は能力的に優れているだけでなく、ヨーロッパの厳しい競争の中で日々鍛えられているため、いろいろな面で頼もしく感じられるのではないでしょうか。

Jリーグはクラブ内のレギュラー争いが物足りない

一方、Jリーグでプレーする選手たちはメディアやサポーターから厳しい目を向けられているわけではないし、各クラブにおける競争もそこまで厳しくない。Jリーグに関して僕が問題だと思うのは、J1が18チームもあることが各クラブ内での選手間の競争を著しく低下させているということ。トップレベルの選手がヨーロッパでプレーしていて、残りの代表クラスの選手が18チームに分散されている。その結果、Jリーグはクラブ内の競争が十分でないと感じます。

――J1のチーム数をもっと少なくするほうがいいと。

そうですね。たとえば、12、14チームぐらいに絞ってプレミアリーグ化する。J1で今、15〜18位のチームのレギュラークラスが上位チームのサブになるぐらいになれば、各クラブのレギュラー争いはものすごく熾烈になりますよね。そうすれば、今以上にレベルの高いリーグになるはず。

Jリーグのレベルアップなくして、日本代表の成長はありません。日本代表を強くするため、というJリーグ創設の理念に今一度立ち返り、どうすればJリーグの競争力が高まるか、知恵を絞っていく必要があると思います。

(文中一部敬称略)

飯尾 篤史 スポーツライター

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いいお あつし / Atsushi Iio

東京都出身。明治大学卒業後、サッカー専門誌の編集記者を経て2012年からフリーランスに転身、スポーツライターとして活躍中。『Number』『サッカーダイジェスト』『サッカーマガジン』などの各誌に執筆。著書に『残心 Jリーガー中村憲剛の挑戦と挫折の1700日』(講談社)、構成に岡崎慎司『未到 奇跡の一年』(ベスト新書)などがある。

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