2位は高い経済成長が続くカンボジアの同217%。2011年の現地法人数は23社、2016年は73社で、3倍超の増加を示した。スズキやヤマハ発動機が二輪車製造の生産拠点を置くほか、イオンがショッピングモールを展開。外食産業では「丸亀製麺」で知られるトリドールや「築地銀だこ」を展開するホットランドも進出している。生産拠点としてのみならず、新たな中間層の取り込みも目指し、ショッピングモールや飲食店の展開も広がっている。
トルコ、メキシコもほぼ倍増
3位は同じく高い成長率が見込まれるトルコの100%。2011年の現地法人数は46社、2016年は92社でちょうど倍増となった。東西文明の十字路と言われる同国は地の利を生かして、FTA(自由貿易協定)を締結している中東諸国や中央アジア諸国、エジプト等への進出の拠点として注目を集めている。トヨタ自動車は2016年末から小型SUV車(多目的スポーツ車)を生産開始した。ホンダもすでに現地法人を置いているほか、空調のダイキン工業、味の素や日清食品などの食品メーカーも進出している。
4位はメキシコ(93%)。2011年は281社、2016年は541社でここも倍増に近い増加だ。現地法人数がすでに増加率1~3位の国と比較して多いながらも、さらに伸びているのが特徴だ。トヨタ自動車が2019年に新工場の稼動を予定しているほか、ホンダや日産自動車も生産拠点を構え、スズキも販売拠点としてすでに進出している。カーナビのパイオニアや、自動車部品産業も多い。日本貿易振興機構によるとメキシコは世界46カ国とFTAを結んでおり、北米を中心とする国々への輸出拠点として期待されているためだ。
5位はベトナム(84%)。2011年は528社だったのが、2016年は972社となり同じく倍近く増加、現地法人数では、今回の最新調査でマレーシアと韓国を抜き去った。
ASEAN3位の人口(約9270万人)で、今後も人口増加が見込まれる。パナソニックが統括会社を設置、その下で白物家電やテレビを製造・販売し、さらに研究開発センターも擁する。消費関連では、ニトリがホームファッション商品など、ワコールは婦人インナーウエアの製造を行うほか、資生堂、花王など幅広く進出が進む。
高い経済成長率と、多くの若い生産人口を抱えるASEAN諸国は、生産拠点としても販売拠点としてもさらなる成長が見込まれる。伸び悩む先進国では反グローバリズムの逆風も吹き荒れるが、日本企業にとって海外進出が成長の糧となることは間違いない。
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