オメガ値上げで「空白ゾーン」出現 攻め込んだセイコー腕時計が好調

 セイコーウォッチが3月に投入した価格帯20万~30万円の高級腕時計「ブライツフェニックス」が好調だ。従来、ブライツシリーズは10万円以下が中心。それを一気に引き上げたが、シリーズ全体の売れ行きは前年の倍以上。成功の要因は、強敵・スイス勢の値上げ戦略でライバル不在となった価格帯に攻め込んだ点にある。同社マーケティング企画1部長の阿部浩之氏は「オメガやタグホイヤーなどが抜けて“空白ゾーン”となった価格帯を狙った」と話す。

スイス勢の価格戦略の背景にあるのは海外市場での好調。2007年もスイス本国からの総輸出額は16%も増えた。この間、各ブランドは値上げを敢行。オメガの場合、05年に27万円だった日本での平均単価は現在33万円。スウォッチグループジャパン・オメガ事業部の森本道子本部長は「日本でも世界水準並みの38万円程度まで上げていく」と強気だ。ただ、日本では値上げ戦略はあまり受け入れられていない。オメガこそ微増傾向だが、スイス時計全体ではマイナス基調。セイコーはいわば“敵失”に乗じた形だ。

ブライツフェニックスではパワーリザーブ(残量表示計)を装備するなど、「舶来品のステータスがない分、国産ならではのお値打ち感も出している」(阿部氏)。高級時計市場に日本勢はどこまで食い込めるか。

(桑原幸作 =週刊東洋経済)

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