米国の北朝鮮「先制攻撃」、今後ありえるのか

巨大原子力空母が半島周辺に来た意味は?

15日に予想されていた核実験前、政策立案の専門家たちは例外なく、米国による先制攻撃の可能性を疑っていただけでなく、やめるようにも警告していた。

「テーブルの上には、あらゆる選択肢が載っている」と、ジョージ・W・ブッシュ政権の元NSC上級アジア部長、マイケル・グリーン氏は話す。「とは言っても、やらないだろう」。北朝鮮が蓄えているすべての核を見つけることは、困難すぎて不可能だろう、とグリーン氏は見る。「北朝鮮による大規模な報復の危険性があまりにも大きすぎる」(グリーン氏)のだ。

米国NBCニュースは、米国による先制攻撃の可能性を伝えていたが、専門家たちはこれを懐疑的な目で見ていた。「あの報道は奇妙だった。だいたい、(攻撃の)標的となる場所はどこなのか」と、保守系のヘリテージ財団の上席アジア研究員のブルース・クリングナー氏と話す。「発射前のミサイル施設を先制攻撃することに賛成する者もいるが、これは理にかなった標的となる。が、米国のどの政府関係者と話しても、米国のそうした行動は示唆されなかった」。

なぜ「奇妙な」報道が出たのか

国務省の朝鮮問題の元駐韓首席公使である軍事アナリスト、エヴァンズ・リヴィア氏も同意見だ。「私もあの報道にはあぜんとした。米国が同盟国である韓国と日本に相談せずに、北朝鮮に武力攻撃を行うことはありえない。北朝鮮の反撃があることを考えると、ソウルに住む米国人を避難させることなしに、攻撃を行うことはないだろう」。

リヴィア氏はこうも指摘する。「米国が、北朝鮮による米国の同盟国への激しい攻撃を防ぐための軍事的配備を、朝鮮半島付近や日本国内に敷かずに攻撃を行うということは、私の理解を超えている、すなわち、ありえないことだ」。しかし、トランプ大統領がうかつにも、中国の支援があろうとなかろうと、米国は北朝鮮問題に「取り組む」と、ツイートしてしまったことで、緊張感が高まってしまったのである。

さて、それでは米国による攻撃は今後あるだろうか。少なくとも当面はない。近く、マイク・ペンス副大統領が韓国を訪れることになっているが、その間に攻撃することは考えられない。さらに、トランプ大統領は、中国に金政権を懲らしめるように公に促すなど、習近平国家主席との関係構築に力を入れようとしている。中国との外交的取り組みが実を結ぶ前に、米国が攻撃を行うだろうか?

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