五輪で繁忙、建設業は「週休2日」すら取れない

工事現場の「ホワイト化」目指し業界が団結

工事現場で働くのは、とび職や左官といった下請けの技能労働者のほか、ゼネコンの技術者だ。「バブル崩壊後に新卒採用を抑えた結果、仕事量は増えても人手が足りない。土曜は交代で月2回休めればよいほう」(ゼネコン社員)。特に現場監督を務める技術者は拘束時間が長く、長時間労働の温床となっている。

日建協の調査では、加盟組合員の平均残業時間は月59時間だが、現場監督などの外勤技術系社員に限ると、過労死ラインとされる月80時間。今後導入される残業規制の上限を優に超えている。

多くの工事現場では、朝8時に作業が始まる。現場監督は7時過ぎには作業所に出勤し、朝礼や予定確認をこなす。日中は現場の安全管理と並行して、発注者や下請け会社と打ち合わせ。17時に作業が終わり技能労働者が撤収した後も、日報や設計変更書類などの作成に追われ、作業所を出るのは20~21時を回る頃。竣工間際や発注者の検査前には、さらに帰宅が遅くなる。

マンション工事は特にきつい

現場で週休2日を徹底するには、工期設定のあり方から見直す必要がある。官が発注する公共工事はともかく、デベロッパーなどが発注する民間工事は工期が厳しく、4週間当たりの休みは4日以下がほとんど(図表2)。とりわけ完成前に販売するマンションは、住民の入居日があるため遅延が許されず、現場へのプレッシャーが強い。地元との協議で着工が遅れたり、天候不順が続いたりすれば、本来なら休日の日曜でさえ稼働を余儀なくされることもある。

週休2日が導入されれば作業日数が減り、今後の工事では工期の長期化が避けられない。ただ最近は20年の東京五輪までに完成させようと、値段以上に工期を重視する民間発注者も多い。週休1日のゼネコンが出れば、週休2日を実践する会社は「明らかに競争で負ける」(日建連の有賀事務総長)。だからこそ業界全体で足並みをそろえ、発注者側に理解を求める必要がある。日建連が旗振り役となって動いた理由はここにある。

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