「出稼ぎ日本人」も無縁じゃない豪州のひずみ

増税をめぐる混乱の陰でグレーな雇用が横行

”世界一住みやすい街”として知られるメルボルン(筆者撮影)

日本から飛行機で7~9時間。南半球に位置するオーストラリアは、日本の約21倍という広大な国土を有し、日本とは四季が正反対ながら1年を通して比較的温暖な気候に恵まれるエリアも多い。治安・衛生面もよく、お洒落なカフェ文化や真っ青なビーチ、豊かな土壌から生まれる高品質のワインなど、魅力あふれる人気の国だ。英語を学ぶためにオーストラリアへ留学する日本人の若者も少なくない。

一攫千金!?「出稼ぎワーホリ」とは

そんなオーストラリアで、そうした日本の若者をも巻き込む社会的な問題が起きている。キーワードは、「出稼ぎワーホリ」。耳慣れない言葉だが、海外で働きながら休暇を過ごすワーキングホリデー制度を利用してオーストラリアに向かう若者たちの間で、ひそかに使われている。異文化体験もさることながら、賃金水準の高いオーストラリアで稼ぐことができるという、一石二鳥の夢のような暮らしを表現した造語だという。

夏真っ盛り。ビーチで海水浴を楽しむ地元オージーたち(筆者撮影)

インターネット上では、「一攫千金!」「ワーホリしながら貯金」などの言葉が躍り、オーストラリアでのワーホリでいかに稼ぐか、経験者たちが懇切丁寧に紹介するブログなどが多数見受けられる。時給30豪ドル(日本円で2500円強)以上の高給で働ける職場もあり、その魅力は万国共通のようで、日本だけではなくヨーロッパ各国からも、オーストラリアのワーホリでオイシイ体験をしようと、海を渡る若者たちは後を絶たない。

この“出稼ぎワーホリ”をめぐるオーストラリアの問題が表面化し始めたのは、昨年、現地で連日メディアをにぎわせた政府の「ワーホリ税(=バックパッカー税)」の増税だ。オーストラリア政府は昨年、ワーホリ対象者を居住者として認めず、国内での就労による収入に対して32.5%という高い税率で「ワーホリ税」を課す計画を示した。

ワーホリで訪れる外国人らを対象にした「ワーホリ税」はこれまで、居住者として年収1万8200豪ドル(約157万円)以下で申請した場合(※同じ場所に6カ月以上居住している証明が必要)、タックスリターン制度という税の払い戻しシステムでほぼ全額戻ってきていた。実質「非課税」に近い状態だったのだが、ここに重税が課される可能性が出てきたのだ。

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