外国人と働く日本人にありがちな「勘違い」

米国人をストレートに批判するのはNG!

(写真:Taka/PIXTA)
米国人は、日本人よりストレートな批判が苦手、と聞いたら驚く人も多いだろう。「米国人にはストレートにモノを言わないと伝わらない」と多くの日本人は思っているからだ。しかし、ビジネスの場において批判を伝える場合はそうではないらしい。まずはきちんと褒めてから、批判は「控えめ」に伝えるのが最も効果的な方法なのである。
グローバル化が進み、米国人にかぎらず、多様な国や文化の人と働く機会が増えている。そこで日本人が最も気にするのが言葉の問題だが、実は言葉と同じくらい文化の違いや相手のやり方を学ぶことが、外国人とビジネスをするうえでは必要だ。さもなければ、米国人をストレートに批判して反感を買ってしまうような失態をやりかねない。
日本人が他国のビジネスパーソンとうまく渡り合っていくには、どうしたらいいのか。フランスのビジネススクールINSEADでビジネス文化の研究を重ね、『異文化理解力――相手と自分の真意がわかるビジネスパーソン必須の教養』を執筆したエリン・メイヤー客員教授に聞いた。

ステレオタイプなイメージは役に立たない

――「異文化理解力」を教えることになったキッカケは。

米国で生まれ育ちましたが、大人になってからまず教師として南アフリカに住み、その後結婚してフランスに渡りました。その過程で、ある文化では説得力があることが、ほかの文化ではまったく効果がないことに興味を持つようになり、それぞれの国でビジネスがどのように行われているのかを研究し始めました。INSEADの客員教授として、大勢のビジネスパーソンにインタビューをしたことで、ビジネスのやり方においてそれぞれの国でいくつか大きな違いがあることがわかったのです。

たとえば、信頼関係をどうやって構築するか、どうやって意思決定を行うかなどは文化や社会によって大きく異なります。相手に対する批判の仕方も、文化によってかなり異なる。そこで、(コミュニケーションや決断、信頼など)8つの指標を設けて、調査対象の55カ国がそれぞれの指標においてどこに位置するかを「カルチャーマップ」という見取り図にして、それぞれの文化の違いをわかりやすくしたわけです。

――17年間研究をされているそうですが、その間グローバル化が進むことで研究内容も変わったのですか。

8つの指標に基づいて作られた、日米のカルチャーマップ(英治出版提供)

当初は、いくつかの指標はステレオタイプなイメージに基づいていました。たとえば、日本人は間接的にモノを伝える一方で、米国人は直接的だとか、日本人は階級を重視する一方で、オーストラリア人は平等を重視するとか。しかし、研究を続ける中で、2カ国間の文化においてでさえいくつかの矛盾が出てくるようになり、そのうち最も重要な文化的な違いは、ステレオタイプ的なものではないことがわかったのです。

たとえば、日本人の多くは日本のほうが米国より階級的だと認識しているし、米国人も日本のほうが米国より階級的だというイメージを持っています。しかし、米国で働く日本人からしばしば「米国の企業はもっとフラットな組織だと思っていたが、意思決定のプロセスは非常に階級的で、日本の組織よりよっぽどトップダウンだ」いう話を聞きます。

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