「中国人、韓国人」と日本人が働きにくいワケ 合意重視で計画性のある国民性と合わない

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日本人は、外国人にとって働きやすい相手なのだろうか(写真: ryanking999/PIXTA)
時間や仕事内容が正確、誠実なうえ、文句も言わない――。外国人から見ると、日本人のきまじめさや誠実さ、完璧を追求する姿勢は尊敬に値するものがあるようだ。一方、外国人からすると、ときに日本人は働きにくい相手だとの指摘もある。
グローバル化によって、多様な国や文化の人と働く機会が増える中、言葉だけではなく、相手の文化や仕事のやり方などへの理解を深めることがビジネスで成果を上げるうえで不可欠になりつつある。
フランスのビジネススクール、INSEADのエリン・メイヤー客員教授は、過去17年間にわたって、世界中のビジネスパーソンをインタビューし、それぞれの国でビジネスのやり方がどう違うのかを研究。55カ国を対象に、コミュニケーションや意思決定など8つの指標でそれぞれの国の文化的特徴がわかる「カルチャーマップ」を作った。『異文化理解力――相手と自分の真意がわかるビジネスパーソン必須の教養』の執筆者でもあるメイヤー客員教授に、日本人の「見られ方」について聞いた。
インタビューの前編はこちら

質問したい日本人の目は輝いている?

――外国人、とりわけ、欧米人から見ると、日本人は働きにくい国民なのでしょうか。

たしかに欧米人にとって日本人はビジネスをするうえでチャレンジングな国民です。理由のひとつは、日本人が感情表現に乏しいこと。もうひとつは、沈黙や静寂を気にしないことです。よく聞くのは、欧米人が日本企業でプレゼンを行って、途方に暮れた、という話。日本人はずっと静かで、反応もしなければ、目も合わせない、と。こうした体験は彼らを戸惑わせるのです。

私にもこんな体験があります。プレゼンが終わった後に、「何か質問はありますか」と聞いても誰も手を挙げなかったので、席に戻りました。すると、私の日本人の同僚が、「エリン、質問したい人はいたと思う。自分が試してみてもいいかい?」と、今度は彼が前に出て「メイヤー先生の講義は終わりましたが、何かご質問のある方はいますか」と聞きました。もちろん、誰も手を挙げません。

すると、彼は参加者を見渡してから、「あなた、質問ありますよね」とある人に聞いたのです。実際、その人は非常に重要な質問をしてくれました。その後にも数人、同じようにして質問をしてくれたのです。会が終わった後に彼に、どうやって質問がある人を見分けたのか聞くと、彼はこう言ったのです。「質問をしたい人は目が輝いている」と(笑)。

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