関テレ「公安ドラマ」は世界でヒットするのか

世界での放送・配信を目指す地方局の挑戦

「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」のワールドプレミア上映後に挨拶する西島秀俊氏(筆者撮影)

仏カンヌのレッドカーペットを西島秀俊氏が歩いた。これまでも映画祭では日本人俳優にスポットライトが当たることもあったが、今回は少し趣が異なる。彼がカンヌにやってきたのは、関西テレビが制作、フジテレビ系で4月11日火曜日夜9時からの1時間枠で放映される「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」のワールドプレミア上映に参加するためだ。

なぜ特別なのか。それは、テレビやネット配信業者向けの連続ドラマシリーズでアジア発信の作品がワールドプレミア上映に選ばれたのは、映像番組の商取引がカンヌで行われるようになって50年以上、今回が初めてのことだからだ。

上映会場を国際色豊かなバイヤーが埋め尽くした

しかし、なにより驚かされたのは上映会場の280席を国際色豊かなバイヤー(テレビ放送やネット配信に使う映像を調達する専門家)が埋め尽くしたこと。会場後方の席で様子を見守っていた西島氏が、立ち見客に「僕はもう観ているから」と席を譲ったほどの盛況ぶりだった。100カ国以上から約4000人のバイヤーが集まる見本市「MIPTV」において、アジア発のドラマにここまで大きな注目が集まったのは異例だ。

日本ドラマは、アジア系バイヤーには一定の評価を得てきた。が、今回の上映では西欧系バイヤーの反応が良かった。上映後のランチレセプションでは、フランス人やイタリア人のバイヤーからも「予想以上だ」との声が聞かれた。

一部に全国ネットでの放送枠も持つ”準キー局”とはいえ、実質的には地方局である関西テレビの作品が、なぜアジア初のワールドプレミア作品となったのか。そこにはネット配信業者の台頭など、映像制作事業をめぐるビジネス環境の変化とともに、グローバルに向けて作品を発信する強い意志があった。

次ページ強い意志とは?
関連記事
トピックボードAD
人気連載
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!
トレンドウォッチAD
インテルの<br>パラノイア的技術経営

インテル中興の祖、アンディ・グローブ。数々の英断で、プロセッサー半導体市場で無双の企業を作り上げた。グローブの愛弟子である、インテル全盛期のトップが語る技術経営の神髄。