「君の名は。」は、観光産業も盛り上げている

日本人観光客誘致へ、バス会社が練る戦略

2月27日から走り出す「君の名は。」×飛騨市ラッピングバス(画像提供:飛騨市)©2016「君の名は。」製作委員会

新海誠監督のアニメ映画「君の名は。」は、2016年の映画興行収入がトップとなるだけでなく、歴代邦画でも「千と千尋の神隠し」に次ぐ2位となった。2016年8月26日の封切りにもかかわらず、2017年に入っても上映スクリーン数が多くあることから、どこまで興行収入が伸びるのか注目されている。

その舞台イメージとして描かれているのは都内、そして飛騨市だ。なかでも、映画に登場する飛騨古川駅をはじめとした古川の町には「聖地巡礼」と称する若者が多数押しかけており、昨年9月には早くも若者が目立って増えたという。その多くは20代の男性グループで、主人公の宮水三葉が暮らす田舎の風景を求めてやってくるのではないかとは、飛騨市観光課の渡邉康智課長の見立てだ。

2月末からラッピングバス登場

飛騨市ではこの好機を活かすため、2016年度補正予算で高速バスへのラッピング費用363.6万円を計上。車体に「君の名は。」の名場面を描いたラッピングバスは、2月27日の飛騨古川駅前15時25分発、バスタ新宿行きから運行を開始する。

ラッピングバスを走らせるのは、高山に本社を置くバス会社、濃飛乗合自動車だ。「濃飛バス」の愛称で、高山を拠点に白川郷・奥飛騨温泉郷・下呂などを結ぶ路線バスを走らせるとともに、東京・名古屋・岐阜・京都・大阪をはじめ、松本・金沢・富山にも高速・特急バス路線網を有している。

これらの高速バス路線のうち、京王電鉄バスと共同運行している高山―新宿線では、昨年10月1日から1日1往復、飛騨古川駅前までの延長運転を開始した。これは以前から計画していたことで、たまたま「君の名は。」のヒットに乗じた形になったというが、運の良さを示しているといえよう。

飛騨市が実施する「君の名は。」ラッピングバスは、この古川・高山―新宿線があるために実現したものだ。バスはこの路線の限定運用ではないものの、映画で主人公のふたりが行き来した聖地の間を、その名場面をラッピングしたバスが結ぶのだから、ファンにとっては嬉しいことであろう。

なお、同ラッピングバスがどの路線に入るか知ってもらうため、濃飛バスは同社ホームページにある「バスの運行情報」に、運用予定を記載するということだ。

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