正月の箱根駅伝は青山学院大が悠々と3連覇を達成した。しかし、どんなに偉大な王者でも敗れるときはやってくる。
“王者交代”のときは近づきつつある
今大会、青山学院大が刻んだ総合タイムは11時間4分10秒。前回(10時間53分25秒)、前々回(10時間49分27秒)と比べて、ガクンと落としている。
1区がスローペースになったことと、「山の神」と呼ばれた神野大地(現・コニカミノルタ)という特別なクライマーが卒業したことを差し引いても、記録は5~8分ほど良くない。レース運びを見ていても、過去2回ほどの強さはなかった。
加えて、青山学院大は今年、4人の4年生(2区一色恭志、3区秋山雄飛、9区池田生成、10区安藤悠哉)が卒業する。その一方で1年生の起用はなかった。“王者交代”のときは近づきつつあると筆者は感じている。
来年の箱根駅伝を見据えた青山学院大の戦力を考えると、2つの弱点が浮かび上がってくる。それはエース区間の2区と、山上りの5区だ。選手層が厚いチームだけに、レギュラーたちの卒業はそれほど影響しないが、ただし、エース一色が抜ける穴は大きい。
一色は花の2区を3年連続で走り、いずれも区間3位。2区終了時までに優勝への“流れ”をつくり、3連覇に貢献した。2区の候補には、8区で後続に2分以上の大差をつけて区間賞を獲得した下田裕太(3年)と、1万メートルで28分31秒66の好タイムを持ちながら今回は故障で外れた鈴木塁人(1年)が挙がっているものの、難コースの2区を1回目から好走するのは簡単ではない。
5区は前回、前々回と神野が担い、優勝を狙うチームに圧倒的な大差をつけたが、今回は貞永隆佑(3年)が1時間15分03秒で区間8位と苦戦した。2区と5区に不安があると、往路で大きく出遅れる危険がある。
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