クックパッド「レシピへの集中」に潜む危険性

穐田前社長と佐野氏の関係はどうなるのか

クックパッドの混乱は終わったとは言えない。レシピサイトの強みをどこまで保てるだろうか(写真:編集部)

その期間、わずか1年半――。料理レシピ検索のクックパッドが、昨年に子会社化した結婚式場口コミサイト運営の「みんなのウェディング」を、来期(2017年1月にスタート)から非連結化し、さらに全株式について売却意向であることを明らかにした。

みんなのウェディングは12月22日、同社株式に対する公開買付け(TOB)について発表。買い付けを実施するのは、同社の取締役会長であり、クックパッドの取締役も務める穐田誉輝(あきた・よしてる)氏だ。このTOBに対しクックパッドは、所有する同社全株式(持株比率26%)を応募することに合意している。

今回のスキームは会長である穐田氏によるマネジメント・バイ・アウト(MBO)に当たり、既存の保有分と合わせ、穐田氏の持ち株比率は最大66%まで拡大する公算。一方、みんなのウェディングは東証マザーズへの上場を維持し、経営体制にも大きな変更はないようだ。

「みんな」の買収は多角化の最たる例だった

クックパッドは10月にも、キッチン用品、衣料品などのEC事業を行う子会社を京王百貨店に売却した。これまで取り込んできた事業を次々に手放す背景にあるのは、“お家騒動”にも発展した経営の方針の大転換だ。

騒動の発端は今年1月。創業者で筆頭株主の佐野陽光氏が「経営ビジョンに大きな歪みが出てきた」として、株主提案で当時社長の穐田氏を含む取締役の刷新に動いた。その後事態は一時落ち着いたように見えたが、3月の株主総会後、続投を見込まれていた穐田氏が、佐野氏の影響力の強い新体制下で社長退任に追い込まれた。現在はマッキンゼー・アンド・カンパニー出身の岩田林平氏が社長に就いている。

穐田氏はベンチャーキャピタル大手のジャフコなどを経て、2001年にカカクコムの代表取締役に就任、同社を東証マザーズ上場に導いた。クックパッドには2007年、社外取締役として加わり、2012年に社長就任。レシピ検索にとどまらない「食を中心とした生活インフラ」の構築を目指し、ビジネス領域の拡大に力を注いでいた。みんなのウェディングの買収も、そんな拡大策の一貫だった。

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