観客激増の横浜DeNAが乗り越えたい課題

横浜DeNAベイスターズ・岡村新社長に聞く

横浜DeNAベイスターズの試合に足を運ぶファンが増加。2016年のシーズンは、横浜スタジアムの熱気が非常に高まった(写真:共同通信社)
DeNAによる球団買収から丸5年。横浜DeNAベイスターズは前オーナー会社のTBS時代最後の2011年シーズンに110万2192人だった観客動員数が、2016年は日本一を達成した1998年をも上回る193万9146人。5年間で75.9%もの増加となった。座席稼働率も93.3%と球団記録を更新。71試合あったホームゲームのうち、完売が31回、稼働率が9割を超えた「大入り」の日は、実に54回を記録した。
業績も2011年度の売上高51億円、最終赤字24億円から、2015年度は売上高93億円へと8割増、最終赤字も3億円に縮小した。2016年度は売上高は100億円を突破し、最終損益も黒字化する見込みと好調だ。これまで5年間球団を率いた池田純社長はシーズン終了と同時に退任。横浜DeNAベイスターズの新社長になったのは、今年4月、総務省官僚だった岡村信悟氏である。
DeNAの南場智子オーナー直々の誘いを受け、転職。DeNA本体のスポーツ事業部長と横浜スタジアム社長に加え、今シーズンオフから球団社長も兼務する。人気も実力も上昇中のベイスターズの舵取りに臨む、岡村氏を直撃した。

 横浜DeNAは、ようやくスタート台に立ったところ

――11年ぶりにチームがAクラス入りしました。池田前社長時代の5年間でかなりの改革が実行され、ホームゲームの座席稼働率も9割を超えました。今期は黒字化の見通しですね。

ようやくスタート台に立ったところだと思っています。球団は「横浜ベイスターズ」なのであって、DeNAはお預かりしている立場です。横浜スタジアムも地域からの預かりものです。著しく公共性が高く、地域のアイデンティティそのものです。

1970年1月生まれ。1995年3月東京大学大学院卒。同年4月郵政省(総務省)入省。情報流通行政局郵政行政部企画課企画官を最後に、2016年3月退官。同年4月DeNAに入社し、同社スポーツ推進室長、株式会社横浜スタジアム代表取締役社長に就任。同年10月から横浜DeNAベイスターズ社長も兼務(撮影:尾形文繁)

この5年間の球団、球場双方のスタッフの努力は、チームとファンをつなぐパイプを太く、強くしてくれたと思います。横浜市民の方の中で、ベイスターズの魅力を再発見してくださっている方は沢山いると思いますが、この関係を継続していくには、さらなる努力が必要です。

たとえばチケットはある程度の水準に来ていますが、放映権、グッズ、飲食、スポンサー契約。どれもまだまだ追求している途上です。特にスタジアムの物理的制約から受ける飲食・グッズなどの販売の機会損失は莫大です。

――確かにハマスタ(横浜スタジアム)の外野は構造上、崎陽軒(シューマイやカレーなど)のショップが1軒と、ポップコーンスタンドがあるだけですね。外野と内野が分断されていて、外野のチケットでは内野のコンコースに入れません。そのため、充実している内野のショップを外野の観客は利用できない状態です。

ご指摘の通りです。具体的な計画はこれからですが、回遊性を確保して、わくわくする空間を作り出したいですね。強いチームでいいゲームを見てもらい、感動してもらうだけじゃなく、スタジアムであらゆるおもてなしをする。いいゲーム、感動するゲームと、スタジアムでのおもてなしは車の両輪です。

池田前社長時代に打ち出した、(プロ野球を通じたまちづくりなどを目指す)コミュニティボールパーク構想を実現するためにやるべきことは、まだまだ山積しています。

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1976年に創業し、90年代の渋カジブームを牽引したビームスが今も元気だ。創業以来赤字知らず。40年、最先端を走り続けられる秘密は何か。設楽洋社長への独占インタビューを掲載。