侍ジャパンを苦しめた日米「ボールの違い」

誰が制球できる投手で、打てる打者なのか

11月12日のオランダ戦で力投する、侍ジャパンの藤浪晋太郎投手(写真:AP/アフロ)

来年3月に行われる第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向け、11月10日から東京ドームで行われた侍ジャパン強化試合。メキシコ、オランダを相手に3勝1敗と勝ち越しはしたものの、本番に向けて「いけるぞ」という手応えを感じられる内容じゃなかった。

むしろ不安だらけ。一番は4試合で27失点(タイブレークは除く)の投手陣である。今回は1球1球ベンチからサインが出た。侍ジャパンのトップチームでこれはいかがかと思うが、捕手がいちいちベンチを見てテンポが悪くなる上に、ボールが滑って制球が定まらない。滑るボールをちゃんと扱えていたのは登板した13人中、いずれもリリーフの秋吉亮(ヤクルト)、宮西尚生(日本ハム)岡田俊哉(中日)の3人くらいだ。

今回使用されたボールにはMLBコミッショナー、ロブ・マンフレッドのサインがプリントされていた。MLB使用球である。WBCはMLB主催の大会。ローリングス社製のMLB使用球にWBCのロゴマークを入れたものが使用される。今回の強化試合は、マウンドをMLB仕様の硬さにすると同時に、本番で使うボールを試したのだ。

使用されたのは「国際球」だったのか

このMLB使用球を「国際球」と思っている人もいるようだが、ちょっと待っていただきたい。世界野球ソフトボール連盟(WBSC)の公認球はミズノ社製のNPB統一球なのである。

昨年11月に日本と台湾で行われたプレミア12などWBSC主催の国際大会で使われたのはもちろん、野球競技が復活する2020年東京五輪でもミズノ社製が使用される。一方、ローリングス社製が使われる国際大会はWBCだけ。日本のプロ野球で使っているミズノ社製こそ本当の「国際球」なのだ。

ローリングス社がミズノ社と同じ仕様のボールを作ってMLBも使ってくれれば、WBCのたびにボール問題で大騒ぎすることはなくなるのだが、来年1月に「強いアメリカ」への回帰を目指す新大統領が就任する国である。日本に合わせるようなことはありえない。では、ミズノ社が…というと、これも無理。ボールの品質をわざと落とさなければならないからだ。

ボールの大きさは世界共通、公認野球規則で重量141.7~148.8グラム、円周22.9~23.5センチと定められている。製造過程で出る誤差を考えて幅を持たせているのだが、この範囲の中で、ローリングス社製はミズノ社製よりやや重く、縫い目が高くて大きく感じる。さらにボールごとのバラツキが大きいと言われている。

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