会社員ものめり込むラップブーム再来の実状 人気のプロ2人が内側を語り尽くす
「今のラップブームには満足していない」
ACE:まさか晋平太くんと「東洋経済オンライン」のようなまじめなサイトで対談する日が来るなんて。
晋平太:「ラップブーム」のおかげで本を出したり、アイドルにラップを指導したりと、いろんなオファーが増えたけど、今回の対談の話を聞いたときはビックリしたよね。
――その「ラップブーム」について教えてください。今、「日本語ラップ」が10数年ぶりに大きな注目を集めています。
ACE:正直言うと、まだ物足りない。
晋平太:ACEはCMにもテレビにも出て、バンバン活躍しているのに?
ACE:だって夢がないじゃないですか。僕はエミネム(アメリカ人のラッパー。映画『8Mile』をきっかけに日本でも有名に)みたいなスーパースターが生まれないと、「本当の意味でブームが来たとは言えない」と考えていますよ。あくまで僕の感覚ですけど、ブームよりもまだ“さざなみ”って感じ。
晋平太:確かに「ラッパーの年収が1億円を突破した!」みたいな大きな話はまだ聞かないよね。俺の場合、日本全国でMCバトル(即興ラップで戦い合うこと)の大会の司会やラップ講座をしていて、少しずつだけど日本中にラップの文化が広まっていると感じる。だから、若い子とかが「晋平太さんやACEさんみたいになりたいんです!」とラップに興味を持ってくれるのはうれしいし、それがブームのいいところだと思う。もちろん環境や仕事の内容も変えてくれたよね。
でもラップは自分が好きで続けたことだから、まわりの様子が変わっても、自分の生き方までは変わらないかな。だから、そんなに意識はしていない。
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