「980円予備校」で変える教育環境の地域格差 リクルートグループの教育新事業、その原点
キーワードを基にビジネスのヒントを聞く日テレNEWS24・デイリープラネット「飛躍のアルゴリズム」。今回は「リクルートマーケティングパートナーズ」社長・山口文洋氏。月額980円でカリスマ講師の授業が見放題のサービスを開発。急成長の秘密は?
山口氏は、神奈川県出身の38歳。慶應義塾大学を卒業後、ベンチャー企業でマーケティング、システム開発を経験し、2006年リクルートに入社。進学事業本部で事業戦略、統括を担当。そして2012年、社内の新規事業コンテストで「スタディサプリ」を提案し、グランプリを獲得。立ち上げを手掛けた。
そして、去年4月、リクルートマーケティングパートナーズの代表取締役社長に就任、最年少でリクルートホールディングスの役員にもなっている。
「東京の子ってずるいよね」
――1つ目のキーワードは「東京の子ってずるいよね」と、これを高校生に言われたということなんですか?
そうですね。もともと進学事業というところで日ごろから、全国の高校生に出会うことが多かったんですね。仕事の中で言うと、大学とか専門学校など、どうやって進路先を選ぶのというインタビューをしているときに、自分は中産階級の出だったので、塾や予備校に当たり前に行けて、受験勉強ができている環境に育ったんです。受験勉強とかどうしてるのという別の話を振ったときに、地方の方から「東京の子ってずるいよね」と。
私たちの住むところには「良い塾とか良い予備校はないんだよ」という声とか、もしくは「所得の関係でなかなか良い塾や予備校に行けないんだよ」という声を聞いた時に、そんな環境があるんだと思いました。意外と日本も所得とか、地域による教育環境格差があるんだということを、ちょっと見てしまったというのがちょうど6~7年前ぐらいでした。