「大学付属校」受験の人気が高まっている理由

一貫校はエスカレーターではなくガラパゴス

大学付属校に入る利点とは?(写真:den-sen / PIXTA)

いま再評価される「エスカレーター」教育

今、中学受験において、大学付属校への人気が高まっている。2020年度以降予定されている大学入試改革の影響だと考えられる。

消極的な理由としては、大学入試改革の不透明さを回避するため。積極的な理由としては、探究型学習や教養主義など、大学入試改革が目指す新しい学力観に基づく教育がすでに大学付属校にはあるからだ。

現在議論されている大学入試改革は、大学入試の仕組みを変えることが最終目的なのではない。大学入試のあり方を変えることで、高校以下の教育のあり方を根本から変えようという狙いがある。大学受験対策に規定されない教育への変換である。

その点、大学付属校ではもともと大学受験対策に規定されない教育を実践していた。実際、大学付属校には、先進的な理数教育を行うスーパーサイエンスハイスクールや、国際教育に力を入れるスーパーグローバルハイスクールに指定されている学校が多い。そのようなぜいたくな教育をするためには費用もかかるが、大学付属校には大学という巨大な資金的な後ろ盾がある。

大学の人的資源を活用することもできる。大学の教員が付属校に来て授業を行うこともある。聴講生として大学の授業に参加して高校生のうちに大学の卒業単位を取得できたり、大学生と一緒に資格試験の勉強ができたりもする。

高校3年生になっても部活や行事や趣味と学業を両立しながら、進路についてじっくり考える時間もある。「どこの大学に行けるのか?」という不安ではなく「どの学部で何を学ぶべきか?」という自分の意思に焦点を当てることができる。

大学入試改革およびその根底にある高大接続システム改革が思い描く理想の未来が、すでに大学付属校には実在しているのである。だったらそこに行けばいいとなるのは自然な流れだ。かつては「エスカレーター」などと揶揄されることも多かった大学付属校の価値が、大学入試改革とそれにともなう学力観の変化のおかげで見直されているのである。

大学付属校という選択について、中学受験の時点で大学を決めてしまっていいのかという批判は昔からある。しかし現在、その批判も時代遅れになりつつある。

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