映画「君の名は。」が中国でも支持される秘訣 作品力だけでなく、数多くの仕掛けがあった
アニメ映画「君の名は。」が中国で快進撃を続けている。12月2日の公開初日の興行収入は7500万元(約12億円)。最初の週末(3~4日)では、2億8900万元(約48億円)に達した。昨年、5億3000万元と中国で公開された邦画として興行収入1位を叩きだした「STAND BY ME ドラえもん」(以下「ドラえもん」)ばかりか、中国国産アニメ歴代興収1位(9億5600万元)の「西遊記之大聖帰来」(2017年春日本公開)をも上回る出足だ。
中国のレビューサイト「豆瓣」での平均評価は8.7点。「ハリー・ポッター」シリーズの新作「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」など、同時期公開の作品中トップを走る。アニメファンを超えたブームの様相を呈している。
日本で大ヒット中に公開
この爆発的ヒットの背景には何があるのか。単なる日本アニメ人気では説明がつかない。確かに「ドラえもん」のヒット、米軍による韓国でのミサイル配備に伴う韓国映画締め出しを背景に、日本アニメ公開数は昨年の2作品から今年は9作品と大きく数を増やした。
しかし出足は好調だった「BORUTO ボルト -NARUTO THE MOVIE-」「ドラえもん 新・のび太の日本誕生」「ONE PIECE FILM GOLD」も、興行収入1億元を超えた後は伸び悩んだ。さらに「ドラゴンボールZ 復活の「F」」など4作品の興行収入は、採算分岐点とされる3000万元(約5億円)を下回っている。日本アニメのビッグタイトルでも、確実にヒットするわけではない。
「君の名は。」ヒットの独自要因を探ると、日本で大ヒットの中での公開というタイミングが大きい。新海誠監督が、宮崎駿監督に続く「興行収入100億円監督」になったとのニュースは中国でも大きく報じられた。
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