営業部を殺す「現場が人を育てる」という妄信

それはマネジャーの責任放棄でしかない

きっちりと知識を与え、何度も繰り返し同行営業しないと人は育たない(写真: KAORU / PIXTA)
「営業マン・ウーマンは現場が育てる」「自分自身を売り込め」「明るい人間が営業向き」といった“妄信”が営業の現場に横行しているという。『御社営業部の「病気」治します』を書いたグランド・デザインズ代表の藤本篤志氏に聞いた。

研修で営業の極意を悟る人間がいるとすれば天才だ

──営業の現場には“妄信”が横行しがちなのですか。

この本では六つの風評妄信を挙げたが、信じ込んでいる人が本当に多い。たとえば、「営業現場が育てる」という妄信。逆説的にいえば、営業現場が育てるなら現場に行っている営業マンがいる会社は営業で困るはずがない。最初は現場に行っても何をどうすればいいかわからない。新卒者も中途採用者も1週間か2週間ほど研修するのが通例だ。そのうち1日か2日は同行営業する。そんなことで営業の極意を悟る人間がいるとすれば天才だ。

──1万時間は必要とあります。

積み上げた経験が必要。1日に内勤・移動時間を除いた営業量として240分働き、1年1000時間、一人前になるには10年が必要だ。現場に行かせれば勝手に育つと思っているから、研修も横着になる。きっちりと知識を与え、何度も繰り返し同行営業しないと人は育たない。組織マネジメントが大事なのだ。

──同行営業?

一般にマネジャー1人に部下は4、5人だから確実に同行営業できる。プレイングマネジャー制度は絶対ダメだ。それではマネジャー不在の営業部と同じだ。プレイングマネジャーは自分の目標達成だけで余裕がない。

──「逆同行営業」という表現もあります。

業績が悪くなっている営業部はマネジャーが働いていない。部下では取れそうもない案件に逆同行営業する。部下にしゃべらせず、もっぱらマネジャーが商談してみせる。部下は本やプリント、ロールプレイングでは教わることのできない生の現場感覚がひしひしとわかる。現実に同行営業を増やすと伸びる。そうしないマネジャーは、もっと業績を伸ばせるのに放棄しているようなものだ。本来の仕事が同行営業。会議は朝と夕方やっていればいい。

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