「AI」が書いた小説はどれだけ面白いのか

人工知能で短編小説に挑戦した著者が語る

人工知能が書く小説とはどのようなものか(写真:3DDock / PIXTA)
質問すると答えをくれるスマホソフト「Siri」、将棋や囲碁では名人と好勝負を繰り広げ、クルマの自動運転までこなす勢いの人工知能(AI)。コンピュータの“進化”でAIが人間を超える日も近い──、そんな想像が頭の中で膨らんでしまう。ところが灯台下暗し! コンピュータは文章が書けない、文章が読めない、と冷や水を浴びせるのは、AIによる短編小説で文学賞「星新一賞」の1次選考通過をものにした、研究者本人だ。『コンピュータが小説を書く日 AI作家に「賞」は取れるか』を書いた名古屋大学大学院工学研究科電子情報システム専攻教授の佐藤理史氏に詳しく聞いた。

どうやって小説を書くのか?

──400字ほどの短い文章でもハードルが高いというコンピュータに、どうやって文学賞応募を満たす短編小説を書かせたのですか。

そもそもコンピュータは、単に入力された情報から出力を作り出す機械。汎用的な文章生成は今のところまったくできません。

小説を書くのに現在可能な方法は雛形による文章生成です。文章の目的、読み手、状況、スタイルなどもろもろ決めておけば文章の雛形が定まる。1本の小説を言葉単位で細かく分解し、冒頭の文はその日の天気、2番目に場面説明、3番目に主人公の様子など文の構造をすべて仕込んで雛形を作る。雛形をたくさん作れば組み合わせで文章ができる。

Siriの一問一答と違って、人間の対話はキャッチボール。小説だと、次に続く文との関係が非常に緩やかでありつつ、まったく無関係でもない。「だけ」「こそ」「さえ」「しか」などの助詞1つでニュアンスが変わってしまう。だから難しい。

──それに小説では、「ところで、」と飛躍したりもしますしね。

そうそう、何でもあり。でも1文ごとにワープしてたら小説にならないわけで。どんな条件を満たせば小説になって、どんな条件を満たさないと小説にならないのか、その線引きがコンピュータには全然わかりません。だから自動で小説を作ることなどまだまだ全然……。

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