パリで女子に不評な「無精髭」が流行る理由 ツルツル派の日本人は「週末限定」がお勧め

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パリでは今、ひげのない男性を探すのが難しいほどです (写真:eugenesergeev / PIXTA)
“髭を生やしたのは、若造のイメージを払拭するためさ。若くしてそれなりの地位に就いてしまった場合、貫禄を醸し出すことはストラテジーなんだ。それに、昔の哲学者はひげがあるから偉大だと言われたんじゃないのか?”
                   
EDF(フランス電力)役員 フランソワ氏

 

「街行く人も、テラスで眺める人も、みな舞台の上の役者である」といわれるパリのカフェ文化。わたくしも、都市劇場の空間に身を置いて、気づくと道行く人を眺めています。

パリでは理容室がひげカットの予約でいっぱい!

こうして街の人を観察していて発見したことといえば、この1年でパリジャンのひげ所有率が急増していることでしょうか。実際、街の理容室はひげカットの予約で満杯とか。

10年ほど前、美容業界では「メトロセクシュアル(メトロポリタン=大都会)」という言葉が流行り、洒落た都会的な男たちのライフスタイルがクローズアップされました。そこでは、ユニセックスなイメージの男性が市民権を得て、美容クリニックに胸毛やすね毛の脱毛を希望する男たちが殺到しました。

それが、今や流行は“ひげ”です。伊達っぽい顔や造作の濃さはイタリア男の後塵を拝するとしても、センシュアルな所作動作とおしゃれ度合で――そして女性の取扱い方でも――世界トップクラスの軟派を誇るのがパリジャン。それがいきなりひげ面を好むとは、一体どうしたことでしょう?

そういえば、数年前には、海を隔てた隣国、イギリスで「designer stubble(デザイナーズ無精ひげ)」が流行しました。ただの無精ひげではなく、デザインされたひげで、長さが均一にカットされています。手間暇かかっているのは一目瞭然でした。

そして、いまパリで流行っているスタイルは、designer stubbleをちょっぴりソバージュに伸ばした無精ひげ。日本人でイメージするのなら、阿部寛、山田孝之、竹野内豊といった感じでしょうか。モミアゲからあごまで、フェイスラインをすっかり隠しての「ワイルド鬚男爵」もいて、眺めて飽きることがありません。

大学では、学年が上がるにつれてひげ所有率が増えていき、キャンパスの男子の半分近くが「ひげ男」になっている模様。学生の間では、ブレイブブロッサムズ(ラグビー日本代表)の五郎丸選手のようなスタイルの顎ひげが人気のようです。

では、髭男子の急増について、パリジェンヌやパリマダムはどう思っているのでしょうか?

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